【今朝の5本】仕事を始める前に読んでおきたい厳選ニュース
(ブルームバーグ): 3月の米消費者物価指数(CPI)が予想を上回り、米国債利回りが急上昇。円は対ドルで1ドル=153円台に下落しました。クレディ・アグリコルCIBのG10通貨調査責任者、バレンティン・マリノフ氏は「日本の財務省や日本銀行にとって越えてはならない一線とされる152円を簡単に突破したことは、同当局が痛みを感じる水準がもっと高いかもしれないことを示唆している」と話しています。円買い介入の水準を巡り、日本当局と市場の駆け引きが続きそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
利下げ観測後退
3月の米CPI統計では、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数が3カ月連続で市場予想を上回る伸びとなった。インフレ圧力が再度強まっていることを示唆しており、今年見込まれている米利下げ開始が後ずれする可能性がある。JPモルガン・アセット・マネジメントのチーフ・グローバル・ストラテジスト、デービッド・ケリー氏は「6月利下げの扉が激しく閉まる音が聞こえた。これでその可能性は完全に消えた」とブルームバーグテレビジョンで述べた。
真剣に考慮を
サマーズ元米財務長官はCPI統計を受けて、「次の政策金利の動きが下向きではなく、上向きになる可能性を真剣に考えるべきだ」と指摘。その確率は15-25%のレンジとの見方を示した。「6月利下げは米金融当局が2021年夏に犯した過ちに匹敵するほど危険で重大な誤りと思われる」と発言。「現時点で利下げは必要ない」と続けた。経済指標が一転して悪化し、金融市場が急落するリスクもあり、状況は依然として変わり得るとも指摘。利下げに踏み切る可能性の方がなお高いが、「市場が織り込んでいるほどではない」と話した。
ランオフのペース半減
米連邦公開市場委員会(FOMC)が3月19-20日に開いた会合では、ランオフ(償還に伴う保有証券減少)について、ペースをおよそ半分に落とすことを全般に支持した。4月10日に公表された議事要旨で明らかになった。議事要旨によると、FOMCの政策決定当局者の「ほぼ全員」が年内のいずれかの時点で借り入れコストを引き下げ始めるのが適切になると判断していた。