「自分がやることの意味があると思えた」今泉力哉監督、永野芽郁×高橋文哉の映画「からかい上手の高木さん」を引き受けた理由
きゃりーぱみゅぱみゅがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「CHINTAI presents きゃりーぱみゅぱみゅ Chapter #0 ~Touch Your Heart~」(毎週日曜12:30~12:55)。この番組では、きゃりーが自身の趣味や興味のあることについて語ったり、いま輝いているゲストをお迎えしたりしながら、さまざまなエピソードを1冊の本に見立て、紐解いていきます。6月23日(日)、6月30日(日)の放送では、映画監督の今泉力哉(いまいずみ・りきや)さんをゲストに迎えて、お届けしました。
◆「恋愛」をテーマにトーク
1990年代に活躍したバンド・たまの元メンバー3人の日々を描いたドキュメンタリー「たまの映画」で、2010年に商業映画監督デビューした今泉さん。その後、「サッドティー」「愛がなんだ」「街の上で」「窓辺にて」「ちひろさん」「アンダーカレント」など数々の話題作を手がけています。 そして現在は、永野芽郁さんと高橋文哉さんが出演する監督作「からかい上手の高木さん」が公開中です。 新世代の恋愛映画の名手として名高い今泉さんと、今回は“恋愛”をテーマにトークを展開。 自主映画を作っていた当時は、恋愛映画以外にもさまざまなジャンルを手がけていたという今泉さん。自分で脚本を書くようになってから、自然と恋愛モノが増えていったといいます。 さらには、「たぶん興味があった題材が恋愛で、人間関係や感情みたいなものを一番分かりやすく出せるので、実生活にありそうな恋愛を描くようになっていきました」と話します。 “恋バナ好き”のきゃりーからは、「恋愛といっても、付き合う前のキャッキャしている感じが好きとか、ちょっとドロドロしたのが好きとか、いろいろなジャンルがあると思うんですけど、今泉監督が好きなジャンルの恋愛話はあるんですか?」との質問が。 これに今泉さんは「器用に生きられる人にはあんまり興味なくて。例えば、前の映画では不倫や浮気を描いたんですけど、正直すぎて罪悪感とかの話をずっとしているみたいな。言わなくてもいいことを言っちゃったり、もうちょっと器用な人のほうが傷つかないのにとか。そっち側の正直な人たちのやり取りがすごく好きです」と答えます。 そして、「一見、“ドラマや映画にはならないんじゃない?”っていう起伏の小さいものというか、そうした細かい悩みとかを描くと、それって本当は多くのみんなに響くというよりは、誰か(少数の)個人に届くものかもしれないけど、実はそっちのほうがマス(一般大衆)に届くんじゃないかと思います」とも。 続いては、現在公開中の映画「からかい上手の高木さん」の話題に。この作品の実写映画化を引き受けた理由について、今泉さんは「いつもは浮気とか不倫とかを題材にすることが多いので、『真逆じゃん』とよく言われるんですけど(苦笑)。“好き”という気持ちにまだ気付けていない男の子の真っ直ぐさや不器用さみたいな部分は、今まで表現してきたものや設定とかは違うけど、実はだいぶ近いものがあって。原作がすごく面白いし、登場人物の繊細で細かいやり取りも面白くて」と言います。 さらには、「派手でテンポのいい映画であれば、他の監督が実写化することもあり得ると思ったんですけど、このトーンであれば、自分がやることの意味があるなと思えたので引き受けました」と思いを語りました。