鳥山明さんの自画像イラスト

　ゲームソフト「SAND　LAND」の公式X（旧ツイッター）が25日、更新され、同作の原作者で3月に急性硬膜下血腫で死去した漫画家の鳥山明さん（享年68）の生前のメッセージを公開した。 【写真】81年11月、都内のホテルに缶詰め状態で、週刊「少年ジャンプ」に掲載中の漫画「Ｄｒ．スランプ」のアラレちゃんを描く鳥山明さん 　この日は同作の発売日。同アカウントでは「ゲーム『＃SANDLAND』の発売を記念して、鳥山明先生が開発中のゲーム映像をご覧になった際にいただいたコメントを公開します」と説明した。 　コメントは今年1月、開発中のゲーム画面を見た鳥山さんに聞いたものだという。「まだすべてを通して拝見したわけではありませんが、マンガ原作の世界観をもっともっと拡大して楽しそうな要素をたっぷりと加えてあり、クオリティも高くて、ゲーム単体としてみても、お世辞抜きで満足度の高いアクションRPGじゃないでしょうか！」と感激のコメント。映像や描画のバランスを称賛しつつ、「こういう表現ができるんですね」と驚きも記されていた。 　ゲームの舞台について、鳥山さんは「原作には無かったフォレストランドという新しい世界や新キャラ達も加わって、悪魔の王子をプレイしながらより充実したストーリーと広大なマップの冒険がたっぷり楽しめるようになっています」とつづった。 　鳥山さん自身はゲームについて、「ボク自身はゆるいゲームしかできませんが」としつつ、「家族がやっている今時のゲームをチェックしていて、ジジイのわりにそこそこ知っているつもりです」と、自虐を込めたコメント。「ゲーム『SAND　LAND』本気でおすすめですよ！！」とPRしていた。 　「SAND　LAND」は、天変地異で砂漠化した世界が舞台。魔王の息子たちが事態を打開すべく、水探しの旅に出る物語。00年に発表された短期連載作品ながら、その世界観やストーリーから世界中で人気を博した。22年に「SAND　LAND　project」が始動し、その一環としてゲームも開発。PlayStation4、5、Xbox　Series　X、S用としてこの日、発売された。 　志半ばにして亡くなった鳥山さん。返信欄には「鳥山先生が残したタイムカプセルみたい」「天国でも地球の皆のことを見守っていてください」「鳥山先生の生のコメントがまだ聞けるなんて。貴重なコメントありがとうございます」と、今はもう聞けない鳥山さんからのメッセージに感謝の言葉も。また「涙でるわ」「鳥山先生の文章からしっかり鳥山先生を感じるからもう泣けて仕方ない…」「読んでたら泣きそうになってきました」「まだまだお元気でいて欲しかったです」と、悲しみを新たにする投稿もあった。