天皇、皇后両陛下がマコガレイ稚魚に餌やり 大分の施設を見学
天皇、皇后両陛下は9日、大分県国東市にある栽培漁業の拠点、県種苗生産施設を見学された。施設は魚やエビを卵から放流するサイズまで育てている。両陛下は地元漁師らと交流し、10センチ弱のマコガレイの稚魚への給餌も体験した。「第43回全国豊かな海づくり大会」に出席するため10日まで大分に滞在する。 施設では、稚魚の成長を促すために緑色LED(発光ダイオード)の光を当てている。全国的に珍しい取り組みだといい、両陛下は「なぜ、大きさが違うのですか」などと成長の仕組みについて熱心に質問を重ねた。小さなマコガレイが泳ぐ水槽をのぞき込み、スプーンで餌やりを体験。案内した漁業関係者に「病気にならないようご苦労されているのではないですか」と気遣う言葉もかけていた。 また、豊前海や別府湾などで活躍する漁師からも放流時の工夫や漁法について説明を受けた。天皇陛下は、海水温上昇がもたらす漁場への影響について尋ねていた。取れたてのクルマエビを見て、両陛下で「おいしそう」と笑顔を見せる場面もあった。 両陛下の大分訪問は、皇太子ご夫妻時代の2018年に「国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭」に出席して以来6年ぶり。令和以降では20年、敬老の日にちなみ、豊後大野市の高齢者とオンラインで交流している。【山田奈緒】