『不適切にもほどがある!』7話を振り返る。「考察勢」に影響される脚本家の苦悩
「とっちらかった」ドラマの行く先は?
6話で登場した『金曜日の妻たちへ』が、サカエ(吉田羊)と安森(中島歩)とミュージカルシーンにつながった。次週予告ではいかにも『金妻』なテラスでの食事シーンまであった。また、ムッチ先輩(磯村勇斗)まで現代にやってきて、息子の秋津雅彦(磯村勇斗)と出会ってしまう(顔認証はいったいどうなったんだ)。この流れはどこにたどり着くのだろう。 そんな中で、キヨシ(坂元愛登)と不登校の友人・佐高(榎本司)との交流にはほっとする。 「いつか終わる、ドラマも、人生も。だからそのギリギリ手前まで、とっちらかってていいんじゃないかね?」 エモケンに対して、市郎がそう声をかけるセリフがあった。前述の連載で、宮藤はこうも書いていた。ミュージカル展開を「毎週やるかって? それはわからない」。このドラマがとっちらかって進むさまを、その行く末を、期待しつつ見守りたい。 ●番組情報 金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS) 脚本:宮藤官九郎 演出:金子文紀、坂上卓哉、古林淳太郎、渡部篤史、井村太一 出演:阿部サダヲ、仲里依紗、吉田羊、磯村勇斗 他 プロデュース:磯山晶、勝野逸未、天宮沙恵子 主題歌:Creepy Nuts『二度寝』 ●釣木文恵/つるき・ふみえ ライター。名古屋出身。演劇、お笑いなどを中心にインタビューやレビューを執筆。 ●オカヤイヅミ 漫画家・イラストレーター。著書に『いいとしを』『白木蓮はきれいに散らない 』など。この2作品で第26回手塚治虫文化賞を受賞。趣味は自炊。 Edit_Yukiko Arai
GINZA