イタリア高級ブランド、マセラティ「赤字」 マーケティングに問題あり ステランティスCEOが痛烈な指摘
ブランドが不明確 経営陣を刷新
14の自動車メーカーを傘下に収めるステランティスのカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は「マセラティに問題を抱えている」と述べ、解決が必要だとしている。 【写真】待ちに待った次世代モデル【マセラティ・グラントゥーリズモ・トロフェオを写真で見る】 (18枚) 今月初め、ステランティスはマセラティのCEOであるダビデ・グラッソ氏を解任し、その後任にサント・フィシリ氏を据えた。フィシリ氏は同じイタリアンブランドであるアルファ・ロメオのトップも兼任する。 フィシリ氏は最近まで、ステランティスのイタリア部門を率いていた。 「マセラティは赤字だ」と、タバレスCEOは14日に開幕した『パリ・モーターショー2024』で語った。 「マセラティが赤字なのは、マーケティングという非常に具体的な理由によるものだ」 「ブランドのポジショニングが不明確で、ブランドに関するストーリーテリングも本来あるべき姿ではない。マセラティはスポーツカーだけを扱うブランドではなく、グラントゥーリズモもあり、『ラ・ドルチェ・ヴィータ(甘い生活)』もあり、テクノロジーもある」 「問題は我々のマーケティングのやり方にある。製品に問題があるわけではない。だからこそ、ブランドのCEOを交代させた。数多くの試みを重ねたが、残念ながらチームは成功できなかった。考え方やアイデアを変えなければならない」 タバレスCEOのコメントを受けてAUTOCARの取材に応じたフィシリ氏は、マセラティのマーケティングとポジショニングの改善に「全力を傾ける」と語った。「やるべきことがある。カルロス・タバレスからは明確なメッセージと目標を受け取っている」 フィシリ氏は、新たに担当することになった2つのブランドに「惚れ込んでいる」とし、マセラティについては「人々の力を借りて、もう一度作り直す」必要があり、また自分と同じように「ブランドに惚れ込んでいる」人材が必要だと語った。 マセラティとアルファ・ロメオは別個のブランドとして存続するが、「可能な限り、ベストプラクティスを共有する」という。フィシリ氏はまた、「一方はプレミアム、もう一方はラグジュアリーだが、共有できる」と付け加えた。
執筆 AUTOCAR JAPAN編集部