都知事選、蓮舫氏の敗北が確実に 立民の上げ潮ムードに水 共産との連携に圧力強まる
7日に投開票された東京都知事選で、立憲民主党などが支援した無所属新人で前参院議員の蓮舫氏の敗北が確実となった。立民は、自民、公明両党の支援を受けた無所属現職の小池百合子氏を意識した戦いを展開。派閥パーティー収入不記載事件で揺れる自民への攻勢を強める好機とみて「与野党対決」の構図を強調したが、不発に終わった。 【写真】「最近問い合わせが多い」という蓮舫氏のグラビア写真集(1989年発売) 立民は4月の衆院3補欠選挙で全勝し、5月の静岡県知事選でも推薦候補が当選を果たした。次期衆院選の前哨戦と位置づけた都知事選で苦戦し、連勝の上げ潮ムードに水を差した形だ。 蓮舫氏に対しては、共産、社民両党も支援に回り、結束して与党に挑む姿を演出した。立民は、都知事選を通じて「首都東京で『政治とカネ』の問題を審判していただく」(安住淳国対委員長)と意気込み、泉健太代表ら幹部を投入して公認候補並みの態勢で蓮舫氏を支援した。 一方、共産との「共闘」に臨んだことを巡って、支援組織である連合と国民民主党との間には禍根を残した。 連合や国民民主は、政策面で隔たりがある共産との選挙協力に否定的な立場だ。都知事選では、国民民主都連と連合東京が小池氏を支持し、立民との溝を印象づけた。 国民民主の玉木雄一郎代表は2日の記者会見で、都知事選が国政に与える影響として「『立憲共産党』といわれる、立民と共産が一体となるやり方がどうなのかということの結果が出る」と主張し、選挙後に「結果の検証」が必要になるとの認識を示した。 令和4年の参院選東京選挙区(改選数6)では、蓮舫氏ら立民候補2人と共産、社民両党の候補各1人が、計約178万7千票を獲得している。この票数を都知事選での蓮舫氏の得票が下回った場合、国民民主による「共産切り」の圧力はさらに強まりそうだ。(深津響)