桂慶治朗&桂三実、NHK新人落語大賞受賞後の師匠の反応は対照的「もう大丈夫」「今が大事」
昨年のNHK新人落語大賞を受賞した落語家の桂慶治朗(40)と今年の同賞を受賞した桂三実(31)が16日、神戸新開地・喜楽館で、「桂三実、桂慶治朗NHK新人落語大賞受賞お祝いウイーク」(25年1月20~25日、同所)の制作発表記者会見に出席した。 慶治朗は2010年5月19日に桂米団治、三実は翌20日に桂文枝に入門した入門1日違いの同期。2人で飲みに行くほどの仲ではないが、舞台で一緒になった時には「工業高校の高校生のようなノリ」であいさつする仲だといい、「仲は悪いわけでないです」と笑いあった。 ウイークでトリを務めることになり、普段は持ち時間の都合上、かけることのできない大ネタも可能とあって、慶治朗が「今まで積み重ねてきた鉄板を」と意気込めば、三実も「トリを務めるのは初めて。自作の創作落語や、寄席ではやったことのない師匠の長いネタをやりたい」。 NHK受賞後は、劇場での出番の増加やこれまではなかった番組への出演、SNSのフォロワー数が増えるといった変化も実感した。 師匠の反応について、慶治朗は「受賞後の活動とかも見ていただいた上で、人づてに(米団治から)『彼はもう大丈夫だ』と言ってもらってると聞いた。師匠にお墨付きをいただいても、自分自身はまだまだ怖い。それを自信にまだまだ進んでいかないといけない」と気持ちを引き締めた。 一方、三実は「(文枝が)逆に気にかけてくださるようになった。今がチャンス。師匠は長い芸能生活でチャンスを逃してきた人をいっぱい見てきた。『人生、そんなチャンスは何回もない。今が大事や』と言ってくださってます。ブログにも取り上げてくださるんですが、ブログの落語家部門ランキング1位を狙ってるんだと思います」。笑い話を交えつつ、文枝の“親心”に感謝した。 慶治朗は今後について「人生の大きな目標の1つがええ落語をすること。そのために、環境をつくらないといけない。80~90歳になってもできる仕事と言われてますけど、ピークはいつかは分からないが、長い道のりを1歩1歩、着実に。王道を突き進みたい」 三実は今年、創作落語100作を目標に掲げ、見事に達成。「100作を目指していたので、1回しかできていない。手応えのあったやつもあったので、磨いてどこでも使えるようにしたい」と、今度はネタを高座で磨き上げていくという。 今後については「花月での出番も増えた。笑いを取って、繁昌亭や喜楽館に来てもらえるきっかけになりたい」と思い描いていた。