20年間不動のエスパーダ。塗装を剥いで出てきた元色「ヴェルデメタリック」を忠実に再現する
旧車仲間から「友達の愛車(ランボルギーニ・エスパーダ)の今後を、富松さん(オーナー)に託したがったている人がいる」という話が舞い込んだ。半信半疑で現物を見に行くと、独特なオーラを醸し出すエスパーダに出会い、富松さんは話に乗った。これが伝説の始まりだった! 【画像21枚】長年放置されていたクルマのため、ボディにサビが発生。これもすべて削り落とすので時間のかかるさぎょうで作業であった。エスパーダのボンネットは軽量なアルミ製。ボディ側面のフェンダー部分までが一体成型されている。職人たちが時間をかけて手作りしたからこその造形 【Tomitaku ランボルギーニ・エスパーダ復活計画】 5月のよく晴れた休日。20年間不動のエスパーダを、チームTOMITAKUのメンバーの力を借りて持ち帰り、復活に向けた整備を始めた。作業性を高めるために、まずはエンジンを応急的に蘇生し、自力で動くようにした。エンジンオイルを交換し、ATFをチェックして、ラジエーターに水を入れる。プラグを抜き、クランキングでオイルの回りを確認。その後、固着したアクセルリンケージに給油、キャブレターを燃料で満たし、セルにて始動。しばらくしてV型12気筒は、ぐずりながらも息を吹き返した。ウエーバー6連装の4Lエンジンが、アイドリング状態にして、燃料をガバガバと勢いよく飲み込む様子はまさに猛牛だ。 引きずっていたブレーキを補修し、自走が可能となったところで、富松さんは何はさておき外装の補修を行うことにした。前オーナー宅で、初めてこのクルマのフォルムを目の当たりにした時から、修復は外装に最も力を入れようと決めていたらしい。依頼先は、富松さんが絶対的な信頼を置く「Paint Factoy K」。メディアの取材は基本的にNGという現場に、今回特別に入場させていただいた(その様子は画像一覧で)。エスパーダのボディにノミを当て、浮いた塗装を大胆に剥ぐ様子には、かなりシビレた。 初出:ノスタルジックヒーロー 2019年10月号 Vol.195 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部