【湘南】「昨季の開幕戦は覚えてない(笑)」緊張で力を出し切れなかったJ1初出場から着実に成長中。“大器”鈴木淳之介が完成なるか
昨季の経験と悔しさを今季に生かす
「昨季の開幕戦のことは、あまり覚えていないんです(笑)。緊張で身体がフワフワして、明らかにおかしな状態だった。プレーもダメだったので、記憶から消しているような感じです」 【PHOTO】今シーズンは「一戦必湘」。4年目の山口監督の指揮のもと湘南ベルマーレが始動 2023年シーズンの開幕節・サガン鳥栖戦。5-1でリードする展開のなか、68分に投入された一戦をこう振り返ったのは、湘南ベルマーレMF鈴木淳之介だ。 身長180センチ超の体格を生かした力強いボールキープと、推進力のあるドリブルが魅力の鈴木淳だが、鳥栖戦では持ち味を発揮できず。守備面でも3バックの中央で先発した大岩一貴から檄を飛ばされるなど、本人が感じた通り、不本意な出来だったと言える。 鳥栖戦から約8か月間、リーグ戦の出番を掴めなかったが、10月21日の京都サンガF.C.戦でメンバー入りを果たすと、途中出場で11分間プレー。自ら敵陣に持ち運び、ボックス付近でパスを散らすなど一定のパフォーマンスを見せると、指揮官の評価を高め、最終節まで継続的に出場を果たした。 鈴木淳は、自身の可能性の一端を見せた昨季の終盤についてこう語る。 「昨季の中盤戦ごろから、自分もやれないことはないと思っていたので、鳥栖戦の時のような緊張はなかったです。ただ、少ない出場時間の中でも数字を残したかったですし、最終節のFC東京戦では長めのチャンス(33分間)を貰いましたが、なにもできなかった。試合に絡んだ経験と結果に対しての悔しさを、今季に生かしたいですね」 鈴木淳の最大の武器は、独特な懐の深さだろう。ボールを足もとに置いた際の姿勢がよく、常に周囲を見渡せるからこそ、ボールを失わずに運べる。鋭く正確なパスも持ち併せているため、本人も言うように、数字に絡むプレーも期待できそうだ。 自身の特長のルーツについて、次のように明かしてくれた。 「自分のところで時間を作れればと思ってプレーしています。特別な持ち方を意識しているわけではないですが、中学校の時は身長が伸びなかったので、身体の大きな選手と戦えるようになるために工夫をしたのが生きているのかなと」 最後に、2024年シーズンに向けての意気込みを口にした。 「昨季の終盤は出番を貰えましたが、ポジション争いも含めて、また1からのスタートだと思っています。これからキャンプに向けて良いスタートを切りたいです」 高校2年次に湘南内定を掴んだ大器が、遂に完成するか。20歳の大型MFに要注目だ。 取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)
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