『Re:リベンジ』赤楚衛二の“怪演”に圧倒される “欲望”に突き動かされた人間の末路とは?
とうとう、“リベンジ”のときがきた。『Re:リベンジ-欲望の果てに-』(フジテレビ系/以下、『Re:リベンジ』)第10話では、すっかり変わり果てた海斗(赤楚衛二)と郁弥(錦戸亮)が対峙する。陽月(芳根京子)の辛い想い、若林(橋本淳)の苦しみ、と重い展開が続くも見どころたっぷりの回となった。今週も『Re:リベンジ』最新話を試写で観る機会を得たので、放送に先駆けて見どころを紹介していきたい。 【写真】『Re:リベンジ』何者かに電話をかける錦戸亮 第10話では、海斗が美咲(白山乃愛)の死にまつわる医療過誤疑惑をもみ消そうと動いていたことが陽月の耳に入る。これまで海斗を信じていた紗耶(見上愛)も、大きく変わってしまった海斗には不信感をあらわにしていた。さらに、何度も海斗に医療過誤を指摘していた若林は、とうとうこの隠蔽に加担させられてしまう。かつては熱い気持ちで自分なりの正義を貫き、その積み重ねで理事長にまで伸し上がった海斗だったが、ここで全員を裏切ることになる。 もはや誰も味方がいない海斗。あれほど澄んだ瞳でまっすぐに駆け抜けてきた人物が、こんなふうに変わってしまうことの恐怖がじわじわと襲ってくる。ここで一つ注目したいのは、それぞれの登場人物の立場やスタンスが大きく変わったことだ。海斗がこの物語の中で大切にしてきたものは後半にかけて大きく変化している。加えて陽月も、物語を通して何度も海斗への信頼を揺るがせている。美咲の手術を終えた後の海斗との関係は大きくひっくり返り、今や陽月は憎悪すら感じているかもしれない。 『Re:リベンジ』ではこうした気持ちの変化や揺らぎが最終回に向かってのキーとなってくるだろう。だからこそ陽月同様、郁弥や若林の気持ちにも注目してほしい。
赤楚衛二のイメージを大きく覆した“鬼気迫る表情”
赤楚の怪演からも目が離せない。苦しみ、葛藤、プレッシャー、恐怖……さまざまな感情を抱えながらも天堂記念病院の理事長の椅子を守るために必死な海斗。その鬼気迫る表情は、愛くるしい赤楚のイメージを大きく覆す。『Re:リベンジ』の中で海斗が変わったことはもちろんだが、赤楚自体の芝居もこれまでの出演作以上に骨太で強烈である。 こうした赤楚の新たな一面に驚きつつも、重厚感溢れる演技で真価を発揮する実力には唸らさられた。海斗の変化や心情の一つ一つを丁寧に表現してくれるからこそ、我々はこのドラマの真の面白さである“欲望に突き動かされる人間の末路”をしっかりと意識しながら鑑賞することができるのだ。後半にかけて胸が痛む展開が続く一方で、ドラマとしての面白さはぐんぐん加速している。海斗の行く末はどうなるのか、そして医療過誤隠蔽はこのまま闇に葬られてしまうのか。予想もつかない今後の展開が楽しみだ。 物語も終盤を迎えるが、『Re:リベンジ』の勢いは止まるところを知らず、ここからさらに大きな盛り上がりを見せることになるだろう。衝撃のクライマックスを見逃すわけにはいかない。
Nana Numoto