スローライフから脱却?『ワンピース』世界最強の剣士「ミホーク」は何を目指しているのか
●共同生活から判明した意外な姿
扉絵シリーズ「世界の甲板から 5億の男編 Vol.17」では、ミホークが麦わら帽子をかぶり、農作業中に休憩しているシーンが描かれている。それもペローナと仲良くオニギリを頬張り、自由気ままに暮らしている様子が見て取れる。 世界最強の剣士と呼ばれ、四皇並みの懸賞金をかけられた猛者ながら、その姿は農業に精を出す生真面目な人物にしか見えない。また弟子入りを認めたゾロはともかく、勝手に城に居着いたペローナの世話までするなど、面倒見の良さも見逃せない一面だ。
●何らかの目的のため、ついに始動?
王下七武海制度が撤廃されると、再びミホークは動き出す。元七武海だったサー・クロコダイルから新組織を立ち上げる話を持ちかけられると、これを承諾。 しかし、ひょんなことから、この新組織「クロスギルド」のボスは「バギー」という話が広まってしまい、クロコダイルとミホークが部下ということに。この不本意な状況に、当初はバギーを抹殺するつもりだったが、結局バギーを傀儡のボスとして利用することになった。 その後、ミホークとクロコダイルが目指すのは「いかなる勢力にも脅かされない軍事国家」の建国であることが判明する。 しかし、世界最強の剣士が軍事国家を作ろうとする理由は何なのだろうか。 そのヒントらしきものが、コミックス108巻の読者コーナー「SBS」にあった。作者の尾田栄一郎氏は「ミホークは海兵を恨むような過去と、大きな裏切りにあってきた人」「もう人生に疲れちゃってるトコあります」とコメントしている。また、ミホークは海兵に追われない平穏を得るために、七武海に加入したとも書かれていた。 そうするとミホークが求めるのは、ゾロやペローナたちとシッケアールで過ごした時のような、穏やかな日常ではないだろうか。その日常を手に入れるために、「クロスギルド」で最強の軍事国家を建国しようと考えているのかもしれない。 そんな新たな目標ができたミホークだが、かりそめのボスであるバギーのうっかり発言により、「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」争奪戦への参加もなし崩し的に決定した。はたしてミホークは、念願である平穏なスローライフを手にすることができるのか、今後の動向に注目したい。
高橋識行