およそ1月半ぶりの一部営業再開です。「日本一黒い湯」として青森県内外に知られている東北町の「東北温泉」。土砂崩れで営業を休止していた温泉施設のうち、女湯の営業が18日に再開しました。 温度を高めたり水を加えなくても、こんこんと湧き出てくる真っ黒な湯…。「日本一黒い湯」として知られる東北温泉で、直接の被害を免れた女湯の営業が18日に再開。早速、待ちわびた常連客が訪れました。 【常連客】 「（お湯が）すごく良いのですよ。私は気に入って何年も通っている」 （Q.待ちに待った営業再開）「そうです、待っていました。新聞に（再開日が）載って、やった～ってすぐ来たのですよ」 「どの程度長く期間が掛かるのか心配しましたね」 その一方で、建物の外にはがけ崩れの痕跡がいまだ多く残されたままです。 【従業員（8月5日）】 「滝みたいに雨が落ちてきたので、そしたらドーンと雷落ちたかと思ったのですよ」 8月4日、局地的な大雨により温泉裏の斜面が崩壊。大量の土砂や雨水が男湯のガラス窓を打ち破り流入するなど、施設は壊滅的な被害を受けました。 従業員は土砂の片付けなど連日、復旧作業に追われ、この間温泉施設の営業を休止せざるを得ない状況に追い込まれました。 あれから1カ月半…。 被災当時、大きな被害を受けた男湯は…。 まだまだ完全復旧とはほど遠い状況ではあるものの、土砂は片付けられました。 泥水をかき出す作業に追われたロビー一帯も…。 18日にはきれいに整えられていました。 【東北温泉　沢田襛社長】 「けさ午前6時になったら（女湯に入浴客が）入って来て、うちの湯でなければならないということを聞いて、感謝の気持ちでいっぱいです」 「やっと安心しました。何たって1カ月半になっているものですから、一番心配したのはお湯が出るか出ないか、そればっかり心配していました」 東北温泉の沢田社長は、地下650メートルからおよそ45℃の温泉水をくみ上げるポンプが、土砂崩れの直接の被害を免れたのが大きかったと言います。 【東北温泉　沢田襛社長】 「こちらまで土砂が来なかったから大丈夫だった。これ（ポンプ）に（土砂が）入って埋まったらもうボーリングそのものは駄目。掘り直ししなきゃ駄目」 しかし、完全復旧までは道半ばです。東北温泉では、男湯の湯船の復旧工事など莫大な費用をねん出するため、10月上旬からクラウドファンディングで募ります。 【東北温泉　沢田襛社長】 「地元ばかりではなく、青森県のために何とか一生懸命頑張っていきたいと思っています」 沢田社長によりますと、男湯は木製フレームのガラスを仮設置し、10月初旬にも営業を再開したい考えです。 その一方で、露天風呂などを含めた完全復旧は、2025年度以降を予定していますが、がけ崩れ現場の復旧工事の状況にも左右され、見通せない状態が続いています。