松本紀保 舞台人としての原点を作ってくれた恩人への思い
ただ、最近、仕事に対して強く思うのは“好きだけではできないけど、好きじゃないとできない”ということ。10年後、プロデュースを中心にやっているかもしれないし、俳優として全然違うものをやっているかもしれない。 10年前の自分からしたら今が想像もつかないみたいに、思わぬことをやっているかもしれない。ただ、何かしらの形で舞台に、表現することに関わっていたいとは思います。そして、それがきっかけを作ってくださったデヴィット・ルヴォーさんへの恩返しにも、もしかしたら、なるのかなと思っています。 あんまりこんなことを面と向かって言ったことはないですけど、このインタビューをどこかでデヴィット・ルヴォーさんが見てくださったら、かなり恥ずかしいですけど(笑)、とってもうれしいことだなと思います。 (取材・文/中西正男) ■松本紀保(まつもと・きお) 1971年10月15日生まれ。東京都出身。本名・川原紀保子。女子美術大学短期大学卒業。95年、TPT公演「チェンジリング」(演出、デヴィット・ルヴォー)でデビュー。主な出演作品に「マトリョーシカ」(作・演出、三谷幸喜)、ミュージカル「ラ・マンチャの男」、「虹を渡る女」(作・演出、岩松了)など。また「アマデウス」、「ラ・マンチャの男」では父である現松本白鸚の演出助手を務める。2013年、劇団チョコレートケーキ公演「治天ノ君」で読売演劇大賞優秀女優賞受賞。14年には初プロデュース公演「海と日傘」を上演し主役も務める。また、第2回プロデュース公演「Farewell」(東京・サンモールスタジオ、4月6日~15日)を上演する。 ■中西正男(なかにし・まさお) 1974年大阪府枚方市生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツ社に入社。大阪報道部で芸能担当記者となり、演芸、宝塚歌劇団などを取材。2012年9月に同社を退社後、株式会社KOZOクリエイターズに所属し、芸能ジャーナリストに転身。ABCテレビ「おはよう朝日です」、フジテレビ「バイキング」などに出演中。