大阪大学医学部附属病院の会見

　大阪大学医学部附属病院は、病理診断用の検体を取り違える医療事故が発生したと発表しました。

50代男性と30代女性患者の検体を取り違え

　阪大病院によりますと、去年11月中旬、院内の内視鏡センターで50代の男性患者に対して、胃の粘膜の下の腫瘍を調べるために組織を採取し、顕微鏡で検査を行ったところ、悪性腫瘍の一種である「GIST（消化管間質腫瘍）」という結果が得られたことから、12月上旬に胃の一部を切除する手術を行ったということです。しかし手術で摘出した検体は病理診断の結果、GISTを疑う所見が認められなかったということです。 そこで病院側が調査したところ50代男性患者と同じ日に内視鏡で針生検を受けた30代の女性患者から摂取した組織であることが判明したということです。 女性患者は針生検の結果、良性の組織との結果が出ていましたが、検査で腫瘍部分が採取できていない可能性もあったため、十二指腸を切断する手術を行ったということです。その後の病理診断で十二指腸のGISTと診断されたということです。 阪大病院は内視鏡センターでの検体採取から病理診断までのプロセスの中で調査を行いましたが、具体的にどのステップで取り違えが発生したかは特定することはできなかったということです。 会見を行った竹原徹郎病院長は「ご迷惑をおかけした患者さんと家族に深くお詫びいたします。多くの方々の信頼を損なったことをお詫び申しあげます」などと話しました。