(写真：ファミ通.com)

文：ウワーマン 初期三部作の完結編 　1994年（平成6年）3月19日は、スーパーファミコン用『スーパーメトロイド』が発売された日。本日で発売から30周年の節目を迎えたことになる。 【記事の画像（7枚）】を見る 　『スーパーメトロイド』は、任天堂から発売された探索型アクションゲーム。探索型あるいは“メトロイドヴァニア”などと呼ばれる、現在も非常に人気の高いジャンルの先駆けとなった『メトロイド』シリーズの3作目に当たる作品だ。 　前作がゲームボーイ用『メトロイドII RETURN OF SAMUS』だったこともあって、ハードの代替わりによるグラフィックの大幅な進化に目を見張ったプレイヤーは多かったのではないだろうか。とくに映画の導入を思わせるようなオープニングは、不気味なBGMと相まって息が詰まるような緊迫感。英語の音声でしゃべる部分もあって、これにもビックリだった。 　システム面はひとつの完成形へと到達し、本作が以降の『メトロイド』シリーズの下地になっていったのは間違いないだろう。 　ゲームの舞台となっているのは、主人公サムス・アランがかつて死闘をくり広げた惑星要塞ゼーベス。宇宙海賊によって研究施設から奪われたベビーメトロイドを取り戻すため、サムスは再建された要塞惑星へとまたしても乗り込むはめになる……というのが本作の物語。シリーズ1作目から引き継がれていくしっかりとしたストーリー性と、因縁の地でくり返される死闘という燃えるシチュエーションに多くのプレイヤーがエキサイトしたんじゃないかな。 　体を丸めるモーフィングボールの能力で狭い道を突破したり、ミサイルの爆発で開かない扉をこじ開けたりするなど、入手した新たな能力や武器をうまく使って少しずつ探索範囲を広げていくというのが本作の醍醐味。舞台が初代『メトロイド』と同じゼーベスだけに、探索途中で懐かしい景色と遭遇して思わずニヤリとした人もいたはずだ。 　“グラップリングビーム”や“スピードブースター”、“Xレイ・スコープ”など、新たなアイテムが多数追加され、アクションの楽しさやギミックの謎解きもより深みを増していた。 　また、サムスにダッシュ機能が備わったほか、L・Rボタンで銃口を真上、斜め上、斜め下に向けられる点も非常に重宝したんじゃないだろうか。種類の異なるビームの切り替えや効果の重ねがけなども可能になっていて便利だった。ただ、“シャインスパーク”や“キックスパイク”などの特殊な能力は習得が難しかったため、大いに頭を悩ませた人も大勢いただろう。 　もしいま『スーパーメトロイド』をプレイしたいのであれば、Nintendo Switch Onlineの加入特典で遊ぶのがおすすめだ。ミスをしてしまっても巻き戻し機能でゲームを再開できて非常に便利。しかも、2022年にはスペシャルバージョンの“スーパーメトロイド サムス・アラン最終形態”も密かに配信（パッケージビジュアルの右上に赤い“SPECIAL”というアイコンが付いたもの）。 　このスペシャルバージョンではサムス・アランが最強の状態になっており、ラスボス戦の直前からスタートできる。すぐにクリアーすればパワードスーツを脱いだサムスの姿も拝めてしまうありがたい代物だ。クリアータイムでエンディングが変化するのは『メトロイド』シリーズのお約束だったので、もし見ていないのならチャレンジしてみてもいいだろう。ちなみに、Nintendo Switch Onlineで遊べるファミコン版の初代『メトロイド』では“サムス・アラン最終形態”と“決戦！リドリーバージョン”も配信されている。 　なお、『メトロイド』シリーズの最新作は、2021年10月8日に発売された『メトロイド ドレッド』。約19年ぶりとなる2D『メトロイド』の完全新作ということで話題となった。