スペインのフェリペ国王とレティシア王妃が洪水の被災地を訪問 住民から泥を投げつけられる
先月末の豪雨で洪水が発生、200人以上の人が亡くなったスペイン東部のバレンシア州。被災地を訪れたフェリペ6世国王とレティシア王妃に泥が投げつけられるという事件が起きた。 【写真】黒髪のクール美人!スペイン王室 レティシア王妃のビューティ遍歴
現地時間11月3日(日)に国王夫妻は特に大きな被害に見舞われたバレンシア州の街、パイポルタを訪問した。多くの被災者が街に集まったが、歓迎ではなく抗議するため。群衆の中からは国王夫妻に対する非難と怒りの声が上がった。ボディガードや警察官に付き添われて道路を歩く国王夫妻に対して泥や卵が投げつけられるシーンもあった。新聞「デイリーメール」によると国王夫妻や一緒にいたペドロ・サンチェス首相に対して「人殺し」「恥を知れ」という怒号も飛んだ。
国王夫妻は集まった人たちの声に耳を傾けていたという。王妃は被災者の女性を抱きしめ、慰めの言葉をかけていた。王室のSNSにもその様子が投稿されているが、新聞「デイリーメール」によると国王はある被災者から抗議を受けると「もしあなたたちがそう望むなら私は来ないし、マドリードに残っている」と「言い返していた」という。国王夫妻の顔は泥で汚れ、ボディガードの額には被災者の投げたものが当たった傷ができ血が流れていた。
被災者たちは国王夫妻に対して洪水に対する警報が遅かったこと、支援が十分に行われていないことを訴えていた。新聞「ガーディアン」によると豪雨の最中、洪水の危険性が高まっているにもかかわらず、住民たちには「家から出るな」という警報が発せられていたという。ある被災者は国王に向かって「(政府は)知っていたのに何もしなかった。恥知らず」「あなたたちは私たちを見捨てた。 4日間も何をしていた」と叫んでいた。スペイン王室はイギリスや日本と同様、政治的な権限は持っていない。
国王はバレンシア州の行政関係者に対して「多くの人たちが経験したことを考えると怒りと苛立ちは理解しなくてはならない」と話していたという。国王夫妻は先月末、洪水被害が発生した時点でSNSにお見舞いのメッセージを投稿。「亡くなられた50名以上の方々のご遺族に深く追悼の意を表します」「被災されたすべての方々に力と勇気と必要な支援を」と発表していた。レティシア王妃の不倫疑惑などで王室に対する風当たりが強まっているというスペイン。今回の洪水がさらなる打撃になるのではないかという見方も浮上している。