現役東大生&早大生のお笑いコンビ・ナユタ「卒業しても芸人」
◇調子に乗っていると思われないようにしてます ――こうしてお話しをしていると、お二人とも若くして結果を出されているのに、尖りがないですよね。とても素直でフラット。 ホリコシ:人間的に尖りみたいなものはないですね。二人とも人の悪口とかめったに言ったりしないですし。 オノハラ:いや、でも悪口は面白いですよ。 ――あはははは!(笑) オノハラ:今はそんなこと言うと“あいつら調子に乗ってる”とか思われちゃうので、しないですけど。 ホリコシ:最初の頃は「あいつは面白くないだろ」とか言ってましたけど、周りに認められちゃうと、悪口を言う相手も近くにいないというか。だから、僕らが後輩とか同期に言われている立場だと思います。 オノハラ:本当に! 相方には気をつけてほしいです。僕らなんて、早めにある程度、結果を出したから、ただでさえ悪く見られやすいので、調子に乗っていると思われないように気をつけていかないと。 この前、LUDOの定期ライブで、ホリコシが「あれ、今のLUDOってこんな感じなんだ~」とか言って、先輩風を吹かせていて……(笑)。あれ恥ずかしかったな。 ホリコシ:何も考えてなかった(笑)。 オノハラ:そうそう、何も考えていないからこそだと思うんですけど、調子に乗っているように思われる言動は損なので、気をつけてほしいです。 ――たしかに、大学在学中にテレビやラジオなどのメディアに出て、これだけ知られるというのは特殊な環境ではありますよね。 ホリコシ:僕らを知って、LUDOに入ってきてくれる子もいるらしくて、ただのサークルの4年生なのに異常なことですよ、ありがたいですけど。だから、きちんとしなきゃというか、ナユタらしく、ということをどっかで意識しているのはありますね。 ――ナユタらしくというお話がありましたが、セルフブランディングで何か意識されていることはありますか? ホリコシ:好きで着ているんですけど、衣装にしているクッキーモンスターのTシャツは意図的です。『M-1』の予選はスーツの方が多いので、Tシャツってだけで異質感があって、アマチュア感も出るんで、“ちょっと見てみようか”となるかもと思って着たんです。僕らの雰囲気にも合っていますし、衣装はこれでよかったかなと思います。 ――ナユタというコンビ名も、お二人にすごく合っている印象です。 ホリコシ:僕の中で「ナユタ」というカタカナの字面がカッコイイなと思っていて、他にもいくつか考えたんですけど、一度ナユタで行こうとなったのが、今でも続いている感じです。 ◇自分たちのネタはあまり練習しないほうがいい ――ナユタといえば言葉遊びが軸となるネタが特徴だと思います。今の形になるまでに、どのような変遷があったのでしょうか? ホリコシ:“言葉遊びでネタを作ろう”というより、ただ二人でふざけていて、それがたまたま言葉遊びだったんです。ふざけていたところから、面白いやつだけを選んでいったら、言葉遊びになったという感じですかね。 ――自分たちとしては誰の影響を受けていると感じますか? オノハラ:真空さん、金魚番長さん。あとは風藤松原さんですね。僕らが好きなので、それが出ちゃうというか。 ホリコシ:無意識のうちにね。 ――ふざけの延長線上にネタがあるということですが、ネタ作りも二人で話しながら? ホリコシ:そうですね。どちらかが一人で、というのはほとんどないですね。オノハラが設定を持ってきて、僕がボケを出していくこともあるし、逆もあります。自分だけでは思いつかないボケが何個も足されていくので、そのぶんネタの成長が早くなると感じます。 ――成長が早いと、ネタが100%のパフォーマンスに達するのも早くなりますよね。 ホリコシ:ただ、僕らあまり練習はしないんですよ。オノハラが覚えられれば、僕はそれにツッコむだけなので。あとはオノハラが順番通りに言えるかどうかなんです。 オノハラ:あんまり練習したくないですね、わざとらしくなっちゃうというか。 ――たしかに、ナユタのネタはあまり“練習感”が出ないほうがいい気がします。 ホリコシ:僕もそう思っています。やり慣れていないときのほうが、僕らも面白いと思っているし、お客さんにも“面白い”を共有できる気がしますね。