本紙の取材に応じた「ＣＩＮＮＡＭＯＮ’Ｓ　ＧＯＤ」の（左から）コウキヤマシタ、黒崎ジョン、ＳＥＩＳＨＩＲＯ、豊田和貴

　大のカレー好きのＳＯＰＨＩＡのギタリスト豊田和貴（Ｇｉｌｌｅ、５３）と多くのアーティストに楽曲提供している作曲家・黒崎ジョン（５４）が立ち上げたカレー愛好家の集まりのメンバーで昨年１２月に結成された４人組ロックバンド「ＣＩＮＮＡＭＯＮ’Ｓ　ＧＯＤ（シナモンズ　ゴッド）」が２３日に初のＣＤ「Ｌｅｔｓ’　Ｇｏ　Ｈｅａｖｅｎ」（４曲入り）をリリースする。４人が本紙の取材に応じ、「スパイシーな作品に仕上がった！」と唯一無二の”カレーバンド”の情熱を披露した。 　ボーカルの黒崎は「『カレー好き同士でライブをやったら面白いかも』と一度遊びでやったら面白かった」と結成のいきさつを話す。ギターの豊田も「結成は自然な流れ。カレーを食って飲んでたらバンドをつくることに」。ベースのＳＥＩＳＨＩＲＯ（５８）は「ちょうど各パートがいたのも偶然だった」と理屈抜きでの誕生だった。 　ＣＤのタイトル曲「Ｌｅｔｓ’　Ｇｏ　Ｈｅａｖｅｎ」をはじめ、「今宵エキゾチカ」「人生ゲーム極上のフラストレーション」「日々是口実」はいずれも作詞・作曲を黒崎が担ったが「カレーのようなスパイシーさ。音楽としてはあまりないタイプでジャンルはロックだけど、どこか昭和のにおいも漂う。新鮮だと思う」と仕上がりに力を込める。その上で「カレーでも食べながらのんびりいきましょうよ」というメッセージを込めたという。 　「Ｌｅｔｓ’　Ｇｏ　Ｈｅａｖｅｎ」は１１月のテレビ埼玉の情報番組「マチコミ」（平日午後４時３０分）内で使用されることも決まった。 　「カレー（加齢）臭漂う」平均年齢約５０歳の新人バンド⁈がキャッチコピー。最も若いドラムのコウキヤマシタ（３１）は「みんな兄貴で部活の先輩みたいで好きにやらせてもらっています」と話すと、黒崎は「カレーの方はまだ勉強中だな」と一言。「Ｇｉｌｌｅさんがカレーの師匠」という最年長のＳＥＩＳＨＩＲＯは「いろんなカレーを教えてもらった。おいしいだけでなくカレーを食べていると体調も良くて一石二鳥」と実感を説明した。 　４人で年間１０００食は食べるというメンバーに好みのカレーを聞くと、豊田は「１０月から４月はカキのカレーばかり食べている。栄養価も高い」と推奨。黒崎は「辛めの南インドのカレー。サラッとしたやつ」、ＳＥＩＳＨＩＲＯは「スパイスカレーもいいけど、タイカレーもいいな」。ヤマシタは「南インド系の辛いのも好きですが、牛丼チェーンのカレーも好き。手軽でうまい」と挙げた。バンド名の”シナモン”は４人共通の好きなスパイスでもある。 　バンド誕生のきっかけとなったカレー愛好家が集まるカレークラブは、ＢＯ∅ＷＹのドラマー高橋まこと（７０）らミュージシャンのほかタレント、カレーの有名店のシェフら１５０人が加入する”カレーコミュニティー”として知られている。１１月１０日には東京・渋谷でカレークラブが定期的に開く「スパイスミーティングＶｏｌ３」が行われる。豊田は「呼んでほしいというカレー店が増え、われわれにとっていい流れになっています」と胸を張った。