38歳横峯さくら好発進の理由とは…10年ぶりツアー制覇へ、首位桑木志帆と4打差8位
<国内女子ゴルフツアー:資生堂レディース>◇第1日◇27日◇神奈川・戸塚CC西C(6697ヤード、パー72)◇賞金総額1億2000万円(優勝2160万円) 2009年賞金女王の横峯さくら(38=エプソン)が、10年ぶり通算24勝目を射程にとらえる好スタートを切った。3バーディー、ボギーなしの69で3アンダー。7アンダーの首位桑木志帆と4打差8位につけた。21年2月に長男桃琉(とうり)くんを出産後としては初、キャディーを務める夫の森川陽太郎さん(43)と二人三脚で、樋口久子らツアー7人目の“母でV”を目指す。 ◇ ◇ ◇ ギリギリの決断が奏功した。スタート20分前。打撃練習場でドライバーショットが真っすぐ飛ばない感覚を覚えた横峯は、急きょ、夫に駐車場に走ってもらった。急いで戻ってきた夫から受け取ったのは、別のドライバー。数球だけ練習して、すぐにティーイングエリアに向かった。ドライバーの違和感が解消された安心感は、他のクラブにも好影響。前半4番パー4は、残り118ヤードからの第2打を30センチにピタリとつけ、3番に続いてバーディーを奪うなど、69と好発進した。 今季自己最高の8位発進に「ショットの状態の状態は、だいぶ安定してきた」と、自然と笑顔になった。体の状態を見極めての直前のクラブ変更など、感覚も研ぎ澄まされてきた。今季はQT(予選会)ランキング40位の資格で、序盤の大部分の試合に出場したが10戦連続予選落ちも経験。2週間前はリランキング52位で、出場できる試合数が減りそうな中、同週の試合で今季最高の14位に入った。これで中盤はほぼ全戦出場可能と勝負強さは健在だ。 「試合に出られるのはうれしいけど、そこを目指しているわけではない。もっと上を目指して。シードを取りたい」。ドライバーの飛距離は「当たれば260ヤード。平均250ヤードぐらい」と、出産前より約20ヤード、さらには賞金女王のころよりも出ている。14年大王製紙エリエール・レディース以来、10年ぶり優勝で、即シード権も現実味を帯びる。 今季は長男を毎試合連れて全国を回る。米ツアーの経験を伝えた横峯の影響もあり、現在は国内ツアーも増えた会場内の託児所に預けて戦う。「本当に癒やされる。大変だけど毎日、近くで成長を見られるから」と、母の顔で笑った。前週優勝の小祝に続き、季節外れの「さくら」が咲くかもしれない。【高田文太】