【NBA】河村勇輝がグリズリーズと結んだNBAの2ウェイ契約とは?
10月20日(現地19日)、メンフィス・グリズリーズが河村勇輝との2ウェイ契約を発表した。 【動画あり】河村勇輝がNBAプレシーズンで才能を発揮!アシストシーンは有数のハイライトに! シーズンオフ期間中にグリズリーズとエグジビット10契約を結んだ河村は、プレシーズンの全5試合に控え選手として出場し、平均15.1分のプレイで、3.4得点、4.2アシストを記録していた。このタイミングで2ウェイ契約に切り替えられたことで、NBA 2024-2025シーズンの開幕ロスター入りが現実的なものとなった。 2ウェイ契約は2017年のオフシーズンから導入された契約だ。当時は2人まで結ぶことが可能だったが、現在は3人まで増加。それに伴い、NBAはロスターに登録できる選手数が2ウェイ契約導入前の15選手から18選手に拡大している。 2ウェイ契約選手は、NBAチームとその傘下にあるGリーグチームの両方でプレイすることになり、シーズン中50試合までNBAチームでプレイすることが可能だ。元々は50試合ではなく、シーズン中に45日以内のNBA帯同日数が許されるというものだったが、2020-2021シーズンから先述の50試合にルールが変更された。なお、プレイオフに出場することはできない。 しかし、チームの本契約選手数が15人に達していなかった場合、2ウェイ契約選手が起用できる試合数は合計90試合までとなっている。例えばチームの本契約選手数が14人のチームが2ウェイ契約選手を3人抱えており、それぞれが30試合ずつNBAの試合に出場した場合はそれで上限の90試合に達したこととなる。そこから15人目をチームが本契約すれば、3人とも追加で20試合出場することが可能となる。 2ウェイ契約を結ぶことができる選手は、リーグ経験が4年未満の選手に含まれる。契約は最長で2年までで、金額はNBAのミニマムサラリー(最低年俸)の半分となっている。2024-25シーズンの場合、ミニマムサラリーが115万7153ドル(約1億7300万円)であるため、2ウェイ契約のサラリーはその半分の57万8576ドル(約8650万円)となる。サラリーはチームのサラリーキャップにはカウントされない。 2ウェイ契約にはメリットとデメリットが存在する。Gリーグでプレイしながらも、グリズリーズの試合でも出場機会を与えられトップチームを経験することができ、結果を残してチームから評価されれば、シーズン途中にNBAチームとの本契約に切り替わる場合もある。 デメリットとしては、移籍の自由度が制限されてしまうことだろう。Gリーグ契約選手であれば、NBA全30チームからの招集が認められているため、移籍に関する自由度は高い。しかし2ウェイ契約選手の場合、NBAでのチャンスは契約先の球団に限られる。つまり、もしグリズリーズが河村に出場機会を与えなかったとしても、他のNBAチームが河村を招集することはできなくなる。 過去には渡邊雄太もグリズリーズとの2ウェイ契約でNBAキャリアを始めている。当時は帯同日数での縛りがあったため、運用の難しいイメージが強かったが、今は50試合まで出場可能とわかりやすくなっており、河村がグリズリーズの試合に出場するケースも多くなることが予想される。
大西玲央 Reo Onishi