カープとの縁は切れない? 選手のグッズが所狭しと並ぶ理容室 広島市安佐南区
JR可部線下祇園駅そばを歩いていると、ガラス越しに赤いユニホームが目に飛び込んでくる。広島市安佐南区祇園1丁目の「ヘアーサロンおもや」。店主の竹内雄二さん(72)に手招きされて店内に入ると、赤の存在感が一気に増す。 【写真】津田さんをしのぶTシャツを手に思い出を語る竹内さん【地図】ヘアーサロンおもや 新井貴浩、黒田博樹、三村敏之、マーティー・ブラウン…。広島東洋カープの往年の選手たちの帽子やバット、手袋などが所狭しと並ぶ。「座ったら緊張するというお客さんもいる。熱狂的なファンじゃなかったけど、グッズは増えていったんよ」と笑う。 多くは竹内さんが「清さん」と呼び、投手やコーチを務めた清川栄治さん(62)から譲り受けた物だ。1990年ごろに知人が経営する接骨院で出会って意気投合。以来、来店し、別の選手も訪れている。 接骨院には当時、炎のストッパーで知られる津田恒美さんも通っていた。「マウンドを降りた後の飾らない人柄も好きだった」と店内の客用のハンガーラックには「直球勝負」などとデザインされた津田さんをしのぶTシャツをかけている。「上着をかける時みんな見るじゃろ。津田さんを忘れんようにね」。 飾ったバットを野球少年に触らせると歓声が上がる。客とのカープ談義は日常だ。「今年は面白いよ。若い子が伸びよるけえ」。客の髪は切ってもカープとの縁は切れない。
中国新聞社