「御朱印」ならぬ「ダム印」集めはいかが? 水害除けや豊穣願い、背景にはダム放流口
国土交通省天竜川ダム統合管理事務所(中川村)は、伊那市の美和ダム完成65周年、中川村・松川町境の小渋ダム完成55周年を記念し、御朱印を模した「ダム印」の配布を始めた。ダムに足を運んでもらい、興味を持つきっかけにしてもらおうと企画。それぞれのダム近くにあり、機能や歴史を学べる「学習センター」で無料配布している。 【写真】天竜川ダム統合管理事務所が配っているダム印
美和ダムは1959(昭和34)年、小渋ダムは69年に完成。かんがい用水の補給や発電を行っており、天竜川の治水を担う洪水調節の役割も果たしている。5年前の節目には記念のシンポジウムなどを開催。本年度は記念としてダム印を配ることにした。
ダム印は縦15センチ、横11センチ。「水害除け」や「豊穣(ほうじょう)」を願ったりする文言と共にダムの名称が筆で記してある。背景にダムの放流口の絵を描いた。センターにはそれぞれ特製スタンプを用意。はんこによく用いられる書体「印相体」で、「天竜川ダム統管」の文字とそれぞれのダムの名称が刻まれている。
同事務所の尾畑伸之所長は、完成から半世紀余が過ぎたが「ダムの役割を果たせるようしっかり管理していきたい」と強調。ダムが地域の観光資源になればと考え、「ダム印をきっかけに多くの人に来てほしい」と期待している。
同事務所とは別に、国交省中部地方整備局(名古屋市)も、美和、小渋を含む管内のダムでダム印を配布中。表にダムの名前、裏に写真や総貯水容量などを記している。