とまりの郷のホッとカフェが1周年、認知症の人が活躍できる場【山陽小野田】
優しいまちづくりに貢献
山陽小野田市烏帽子岩の軽費老人ホーム・ケアハウスとまりの郷(姫井好恵施設長)で、偶数月の第4日曜に開かれている認知症カフェ「とまりホッとカフェ」が、1周年を迎えた。有症者が自らコーヒーでもてなし、有症者家族や地域住民が認知症についての不安や心の葛藤を気軽に話し合える場となっている。 コーヒーに含まれるカフェインは一時的な認知機能の向上が期待され、ポリフェノールは細胞の損傷を防ぐとされる。さらに香りはリラックス効果が高いことから、〝コーヒー療法〟として行っている。 認知症がある入所者が豆をひき、自ら選んだコーヒーカップに入れて配膳用ワゴンで参加者に提供。長く主婦として家族の暮らしを支えてきた人もおり、体に染み付いた手際の良さで参加者をもてなしている。 カフェには有症者を家族に持つ人や地域住民が訪れる。季節にちなんだ童謡を歌うなど和やかな空間で、互いに介護の悩みや困り事を共有。認知症ケア専門士の資格を持つ生方理恵子さんをはじめ、施設の社会福祉士、介護福祉士も談話に加わり、おしゃべりに花を咲かせる。 同カフェは当初、2017年に市の委託を受けて地域密着型介護事業所そらり(西高泊)、デイサービスほほえみ平原(小野田)と合同で開始。その後、参加希望者が気軽に通えるようにと分散し、同施設では23年11月に単独で始めた。 姫井施設長は「認知症になると何もできない、分からないという偏見が今もある。有症者が生き生きと活動する姿を見て、家族や地域、そして本人が希望を持ち、認知症に優しいまちが実現できれば」と期待する。