【速報】妊娠中の婚約女性を車中で絞殺 遺体は奈良の若草山に… 男の控訴を棄却 懲役18年の1審判決支持 大阪高裁
妊娠していた婚約女性を8年前に絞殺した罪に問われ、1審で懲役18年の判決を言い渡された男の控訴審。大阪高裁は3月25日、男の控訴を棄却しました。 1審判決によりますと、末海征河被告(27)は、2016年10月に京都府井手町で、交際相手の木村京花さん(当時19)を、車の中で首を絞めて殺害しました。
骨の一部や母子手帳が奈良・若草山で見つかる
幼なじみだった末海被告と木村さんは当時婚約していて、木村さんは妊娠もしていました。美容師の国家試験に向けて専門学校に通ってもいました。 殺害直前、木村さんが末海被告を激しく詰問していたのを、木村さんの母や妹が目撃。その後、木村さんの行方が分からなくなりましたが、末海被告は「仲直りして家の前まで送った」とウソの説明をしたうえ、友人や木村さんの家族とともに木村さんを探すふりもするなど、“行方不明を偽装”しました。 6年後の2022年2月、京都府警が末海被告を取り調べると、被告が「木村さんの首を絞めた」「遺体は若草山に遺棄した」という旨を自白。府警が捜索したところ、若草山で木村さんの遺体の骨の一部や、母子手帳が入ったトートバッグが見つかりました。
“被害者は自殺”と無罪を主張も… 京都地裁は懲役18年の判決
末海被告はその後一転して、否認に転じます。 1審の裁判では「自分が少し車を離れた際に、木村さんが携帯電話の充電コードを巻きつけて自殺した」「自殺したのが知られると可哀想なので、行方不明になったことにしようと思って遺体を遺棄した」として、無罪を主張しました(※死体遺棄罪は時効が成立していたため、起訴は殺人罪のみ)。 しかし、京都地裁は去年7月の判決で、「木村さんは将来を悲観するような状況にはなく、自殺する理由や兆候はなかった」「充電コードを首に巻きつけ緩まない状態にして死ぬという、手の込んだ方法で自殺するとは考え難い」として、裁判での被告の供述は信用できないと判断。 そして、「被害者から激しく詰問されて衝動的に犯行に及んだ。その詰問は、事件に至るまで被告が場当たり的なウソをついていたことに起因していて、被害者に落ち度はない」「妊娠中であることを知りながら殺害した点も見過ごせない」として、懲役18年を言い渡しました。 判決を不服として、末海被告は大阪高裁に控訴。控訴審で被告側は「自白の任意性に疑いがある」「否認に転じた後の供述のほうが信用性が高い」などとして、改めて無罪を主張していました。
1審判決を支持 被告の控訴を棄却
大阪高裁は3月25日の判決で、「虚偽の自白を誘発するおそれがあるような、不当な心理的影響を与える捜査官の言動はなかった」「自白から否認に転じた合理的な理由がなく、被告の否認供述は信用できない」などとして、1審判決を支持。末海被告の控訴を棄却しました。 (MBS大阪司法担当 松本陸)