「55万円」以上オトクな日産の新「軽ワゴン」登場! 「国内シェアナンバー1」の静音モデルに乗って分かった“軽の概念”を覆す「サクラ」の実力とは?
試乗して分かった“軽自動車超え”の魅力とは?
そんなサクラを今回は、日産グローバル本社(神奈川県横浜市)から、狭い道や登り坂の多い神奈川県逗子市、鎌倉市を中心としたコースを試乗しました。
試乗車は最上級モデルにあたる「Gグレード」で、高速道路単一車線での運転支援技術「プロパイロット」の標準装備にくわえて、革巻きステアリングホイールを含む「プレミアムインテリアパッケージ」やオプションの15インチホイールを装備していました。 ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1655mm、ホイールベース2495mmです。 そのコンパクトなボディに、日本の美意識を感じさせる水引デザインが内外装各所に散りばめられているほか、グリルやテールランプなどには格子(こうし)がモチーフとして表現されるなど、車名にも通じる和の世界観で統一されているデザインとなっています。 また一部改良によって、テールゲートにあるEVを主張するエンブレムが「Zero Emission」から「100%EV」に変更されていました。
この日は雨が降り寒かったことから、まずはシートヒーターをオン。 以前は運転席のみだったシートヒーターも、一部改良で助手席にも標準装備(Gグレードのみ)となったのも嬉しいポイントです。 すぐに効くエアコンも相まって暖かな状態で試乗をスタートすることができました。 動き始めて最初に、軽自動車とは思えないほど車内が静かであることに驚きます。 軽自動車の多くは走行時のエンジン音やロードノイズが気になることがありますが、サクラではそれらがほとんど気になりません。 くわえて、20kWhのリチウムイオンバッテリーを車体の下部に配置し低重心化が実現されていることから、凹凸のある路面でも跳ねるような不安定な動きがなく、コーナリング時や高速道路での車線変更でもしっかりとした安心感がありました。 次に高速道路に乗って合流する時に感じたのは、ストレスのない加速性能です。 前輪を駆動するモーターの最高出力は47kW(約64馬力)、最大トルクは195Nmという、特にトルクに関しては、2リッターのガソリン車に匹敵するほどのスペックを有しています。 「エコ」「スタンダード」「スポーツ」と、3つの走行モードが設けられているのですが、街中から高速道路上においては「エコ」で必要十分に対応できるほどの加速で、モーター特有の即応性と力強さが感じられました。 その後、かなり勾配のキツイ登り坂では「スタンダード」や「スポーツ」に切り替えてみたのですが、アクセル開度に応じてストレスなくグングン登っていくのです。 アクセルをべた踏みして「ブーン」のエンジンが大きく唸る軽自動車のイメージが大きく覆された瞬間でした。 また、アクセルペダルの操作のみで速度調整が可能になる「e-Pedal」をオンにすると、アクセルオフで回生ブレーキが働くのですが、特にワインディングの下り坂では大活躍。 あまりEVに乗り慣れていない筆者でもすぐ感覚に慣れ、違和感なく運転することができました。 ※ ※ ※ 今回、街中から高速道路まで約60km前後の距離を試乗してみて、運転の疲れを感じなかったのも大きな魅力と言えます。 また航続距離(WLTCモード)180kmを誇ることもあって、道中バッテリー切れを気にすることなかったことから、通勤や買い物などの日常づかいから隣県くらいまでのお出かけなら、その役割を十分に担ってくれることと思います。 静粛性、トルク性能、安定感、そして快適装備を含め、これぞEVならではの環境であり、まるで軽自動車ではないひとクラス上のクルマに乗っているかのような印象を受けました。 そんなサクラは、日常のあらゆる移動シーンを豊かにしてくれる1台といえるでしょう。
くるまのニュース編集部