【食中毒】この土日は汗ばむ初夏の陽気…春の行楽シーズンからは“細菌性が増” 下痢止めはNG?薬剤師でもある気象予報士が「予防の3原則」も解説【MBSお天気通信】
食中毒になったら下痢止めの服用は原則NG
食中毒の原因によって、症状や重症度は様々です。多くの場合、特効薬はなく、対症療法(症状に合わせた治療)を行うのが基本となります。腹痛、下痢、吐き気や嘔吐、発熱など症状がひどくなった場合、血便などの症状がある場合は、自己判断せずに早めに医療機関を受診しましょう。 <服薬のポイント> 下痢の症状があるときに、細菌性の食中毒が原因である場合は、下痢止めの服用は原則控えてください。食中毒の症状を改善させるためには、原因となっているものを体外に排出するという体が本来持っている防御機能を働かせる必要があります。むやみに下痢止めを服用すると、排便が進まず、治りが遅くなってしまうおそれがあります。下痢症状がみられる場合でも、市販薬の下痢止めを自己判断で服用するのは原則控えてください。一方、整腸剤は腸内環境を整え、おなかの調子を整える薬ですので、服用するのは問題ないとされています。 <脱水症状に注意> 下痢、嘔吐の時には体内の水分が不足しています。水分を補給する必要がありますが、腸がたいへん弱っていて水分の吸収がうまく行われないため、“少しずつ”がポイントです。不足した水分や電解質を補うには、スポーツドリンクや経口補水液がオススメです。ただし、冷えた水分は胃に負担をかけるため、常温で飲むようにしてください。温かい消化の良いものを食べ、刺激物などをとるのは控えてください。「温かくして、少しずつ、こまめに」を心掛けましょう。
食中毒予防の3原則「つけない」「増やさない」「やっつける」
食中毒を防ぐには3つの原則があります。 【1:細菌を食べ物に「つけない」】 調理をする前には、手や調理器具を洗うことを徹底し、消毒もしっかり行ってください。 【2:食べ物に付着した細菌を「増やさない」】 食品を常温で放置せず、冷蔵庫や冷凍庫で保存すること。調理したものはできるだけ早く食べて、残ったものは冷蔵庫で保存することで、細菌の増殖を防いでください。 【3:食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」】 カンピロバクター、サルモネラ、出血性大腸菌など細菌の多くは、75℃以上1分間の加熱で、ほとんど死滅します(ノロウイルスは85℃以上で1分間)。挽肉やハンバーグなどは、中まで菌が侵入している可能性があり、中心部までしっかり加熱する必要があります。これからの行楽シーズン、バーベキューを行う際も十分に加熱し、生焼けには注意してください。 (気象予報士・薬剤師 林保捺美)