クマに襲われ男性重傷 富山・西小俣、今年初の人身被害
21日午前11時ごろ、富山市西小俣の民家付近で、屋外にいた住人の80代男性がクマに襲われた。男性は市内の病院に搬送され、頭や顔の裂傷と右鎖骨骨折で全治約1カ月の重傷を負った。命に別条はないとみられる。クマは見つかっていない。クマによる人身被害は富山県内で今年初めて。 【写真】男性の血痕とみられる赤い染みが見つかったまき置き場 ●県が出没警報 22日緊急会議 県は21日、今年初のツキノワグマ出没警報を発令した。22日に緊急対策会議を開く。 県や市によると、近隣住民が「男性が血だらけで駆け込んできた」と119番通報した。男性以外にクマを目撃した人はおらず、足跡などの痕跡は見つかっていない。男性の説明やけがの状況からクマに襲われたと判断した。男性の親族によると、男性は顔の傷が深く手術を受け入院した。 市、猟友会、富山南署などが現場周辺を捜索し、住民や小中学校に注意を呼び掛けた。県警はドローンを使い捜索した。 現場は市中心部から約15キロ、富山地方鉄道岩峅寺駅から南に約2・5キロ離れた山間地の集落で、熊野川が近くを流れる。 県内では昨年クマによる人身被害が7件発生し、8人が重軽傷を負い、1人が死亡した。いずれも富山市内だった。県によると、今年の出没情報は21日時点で114件を数え、昨年1~6月の103件を既に上回っている。