北陸新幹線が全線で試験走行開始へ 。新型車両の歓迎セレモニーも各駅で
計画決定から40年以上の時を経て、来年3月の開業に向け急ピッチで工事が進む北陸新幹線。延伸区間となる長野~金沢間では、すでに全線でレールがつながり、駅舎などの整備も進められています。昨年12月には、長野~黒部宇奈月温泉間で試験運転も開始され、総合試験車「East-i」やE2系車両により各種データを採取。豪雪地帯で安全・確実に運行するための、各種設備のチェックや改良が行われています。 [動画]北陸新幹線の新型車両「W7系」お披露目。総合車両所も公開 一方、ここで活躍するE7系・W7系新幹線も続々と完成し、その一部は長野新幹線区間で先行営業に就いています。目玉であるグランクラスは、現在はシートのみの利用で車内サービスはありませんが、早くも大きな注目を集めています。そして、いよいよ残る区間・黒部宇奈月温泉~金沢間の試験走行と、E7系・W7系による延伸区間の試験走行開始が発表されました。
試験は8月1日から10月31日まで
北陸新幹線の建設を担当する、鉄道・運輸機構によると、試験は8月1日から10月31日までの3ヶ月にわたり、合計50日程度実施。黒部宇奈月温泉~金沢~白山総合車両所間を中心に、延伸区間全体で行われます。 初日は「East-i」が時速30kmで入線し、軌道や架線、駅ホームなどの状態をチェック。徐々に速度を上げ、最終的には営業運転と同じ時速260kmで試験を行います。さらに、8月5日からはいよいよW7系による試験運転もスタートします。E7系・W7系がこの区間を走行するのはこの日が初めて。「和の未来」をコンセプトに、北陸をイメージした空色と銅色に塗り分けられた車両が、ついに北陸地方を駆け抜けるのです。 W7系の「初列車」は、北陸本線松任駅に近い「白山総合車両所」を8月5日の早朝に出発し、金沢駅へ7:30頃に入線。8:10に出発した後、新高岡・富山・黒部宇奈月温泉・糸魚川の各駅へ停車し、上越妙高駅には14時前後に到着する予定です(上越妙高~長野間は8月7日の初入線を予定)。 沿線の各駅では、W7系の試験走行に合わせて歓迎イベントも実施される予定で、沿線自治体のホームページ等で参加者を募集しています。多くの自治体は沿線市民を対象としていますが、一部では県外からの応募もOKというところも。真新しい駅舎に滑り込む新型車両を一目見たいというアナタ、ぜひ応募してみてはいかがでしょうか。 (文/伊原薫/鉄道ライター) ■伊原薫(いはら・かおる) 大阪府生まれ。京都大学大学院・都市交通政策技術者。(一社)交通環境整備ネットワーク会員。グッズ制作やイベント企画から物書き・監修などに取り組む。都市交通政策や鉄道と地域の活性化にも携わっている。好きなものは103系、キハ30、和田岬線、北千住駅の発車メロディ。