輪島塗復興への第一歩に 被災した輪島塗販売店が金沢にギャラリーオープンへ
能登半島地震で工房や販売店などが被災し大きな打撃を受けている伝統工芸の輪島塗。産業復興の第一歩を目指す販売拠点が金沢市にプレオープンしました。 【写真を見る】輪島塗復興への第一歩に 被災した輪島塗販売店が金沢にギャラリーオープンへ 大藤漆器店 大藤孝一さん 「おはようございます。震災から何とかしようと思ってこういうものが出来ました。店がダメなら作ればいい。行動に移して実践していこうと今回、こうしてプレオープンまでこぎつけた」 金沢市神谷内町に15日プレオープンした輪島塗のギャラリー大藤。輪島塗の製造・販売を手掛ける大藤さんが、地震後に受けた支援への恩返しを形として示したいと考え計画しました。 大藤漆器店 大藤孝一さん 「見舞金もらったり、義援金もらったりする。今までだったらお返しは必ずしていた。それやったら、お店を作ってこの形を見てもらって、こういうことに使っているということを見せたかった」 輪島市にある大藤さんの店舗でも棚が倒れるなどし、1万点ほどあった輪島塗の商品のおよそ半分が割れたり傷がつくなどの被害が出ました。金沢市内の店舗には、被害を免れた椀や飾り盆パネルなどが並べられ、買い物客がさっそく訪れていました。 買い物客 「ちょっと寄ったらプレオープンだって聞いてよかった。とにかく輪島を盛り上げて復興してやっぱり輪島塗も再生してほしい」 「輪島塗を愛用している家なので、好きなんです。輪島塗」 また大藤さんは、店舗が入るビルで4つの部屋を借り、被災した職人に工房兼住宅として無償で提供しています。輪島市河井町の沈金師 前古孝人さん。自宅と工房を兼ねた建物は全壊し1月から金沢にアパートを借りて避難しています。 沈金師 前古孝人さん 「金沢市で借りたアパートは1ルームしかない。仕事道具を広げたら片づけないと寝られないような状態」 前古さんも、大藤さんに卸す商品の制作のため先月下旬から部屋の提供を受けています。 沈金師 前古孝人さん 「2年間の仮設住宅生活で、家が建つかという保証もない。その中で大藤さんはこうやって輪島塗で生活できる場所という本当にありがたい話」
゛輪島塗が復興するきっかけに” 大藤さんは常に前を向き歩み続けています。 大藤漆器店 大藤孝一さん 「これを第一歩として最終的には輪島に帰って工房を作りたい。けど、ここでは食べるためには絶対必要ということも分かる。ここで歯を食いしばっていくしかない」
北陸放送