【オーストラリア】JERA傘下とアリンタ、洋上風力開発認可
オーストラリア連邦政府はこのほど、東京電力と中部電力が共同出資するエネルギー会社JERA(ジェラ)の子会社でベルギーの洋上風力発電会社パークウィンドと、オーストラリアの電力・ガス卸売り大手アリンタ・エナジーに対し、ビクトリア(VIC)州サザンオーシャン地区での洋上風力発電所の開発に向け事業化調査ライセンスを付与すると暫定的に決定した。米アルミ大手アルコアのVIC州ポートランドに位置するアルミニウム製錬所への電力供給が期待されている。 ライセンスが付与されたのは、パークウィンドとアリンタが共同で計画する「Spinifex Offshore Wind farm」。事業費は40億豪ドル(約3,936億円)で、容量は1.2ギガワットと、VIC州の現在の電力需要の10%を賄えるという。 全国紙オーストラリアンによると、ポートランドの製錬所は、国内のアルミニウム生産量の約20%を占めるが、年間電力消費量は、VIC州消費量の最大10%を占めるという。同製錬所は昨年、電力需要の50%についてエネルギー大手AGLエナジーと9年の供給契約を締結したが、同州は石炭火力発電からの脱却を急速に進める目標を設定しており、今後の電力確保が不安視されていた。 ボーエン気候変動・エネルギー相は、同製錬所は再生可能エネルギー由来の電力を求める必要があり、洋上風力発電事業は実行可能な解決策だと述べた。 VIC州政府は2022年に、電力需要の約20%を10年以内に洋上風力発電から供給できるようにする目標を設定。その後は35年までには倍増の4ギガワットへ、40年までには9ギガワットへ、50年までには13ギガワットへと、現在の5倍の水準まで発電能力を引き上げることができる見通しだという。 パークウィンドとアリンタは、西オーストラリア州南西部バンバリー地域の洋上風力発電開発ライセンスの入札にも参加するとみられている。