大谷翔平「一番緊張したのはデコの始球式」DHで史上初のMVP受賞に真美子夫人とグータッチ
ドジャース大谷翔平投手(30)がDHで史上初、2年連続の満票MVPに輝いた。21日(日本時間22日)、両リーグの最優秀選手が発表され、全米野球記者協会(BBWAA)で投票権を持つ記者30人全員が大谷に1位票を投じた。守備機会のないDHでは史上初の快挙。打者に専念した今季は前人未到の「50-50(50本塁打&50盗塁)」を達成し、悲願のワールドシリーズ制覇に貢献。個人でもチームでも最高の栄誉を手にした24年シーズンを終えた大谷は、来季は開幕からの二刀流復活を目指す考えを示した。 【写真】MVP発表時の真美子夫人のワンピース、気になるお値段は…? ◇ ◇ ◇ 大谷史上、最高のMVP獲得となった。ド軍のレジェンド左腕カーショーから発表されると、愛犬デコピンを膝の上に座らせていた真美子夫人から「(受賞)したって!」と祝福された。その瞬間を聞き逃すハプニングがありながらも、自らを拍手で祝い、真美子夫人とグータッチ。DHで史上初、両リーグまたいでの2年連続も史上初、2年連続の満票受賞。うれしそうな表情が、かつてない充実感を得ている証しだった。 「ドジャースの一員として、代表して(MVPを)もらったと思っているので。それぐらいみんなでつかみ取った、シーズンもそうですし、ポストシーズン、ワールドシリーズもそのぐらいみんなでつかみ取ったものだと思います」 受賞後の第一声が全てを物語っていた。全員野球に欠かせないピースとして世界一に貢献した。チームプレーに個人成績が絡み合ったMVP獲得。そこに価値を見いだす。「チームとして特別な結果を出した年に、個人としてもこういう風に評価をしていただいたことは、もちろん特別」。メジャー7年間で3度目の受賞。「今年1年で言えば、ほぼ満点に近い」と自己評価し、その理由を「チームとしてやっぱり結果を出したのが満点に近い要因の1つ」とした。勝つことを最優先にし、その結果として最高の栄誉を得られたことが、何よりの喜びだった。 重圧もあった移籍1年目。徐々にドジャース野球になじみ、長打とスピードを生かした最強の1番打者に定着した。「思い出に残っているのは、やっぱりポストシーズンが決まった試合」。「50-50」を達成した9月19日のマーリンズ戦。それでも個人記録ではなく、チームの結果を口にするあたりが、大谷らしくもあった。激動のシーズンの中で「一番緊張したのはデコの始球式」。8月28日のオリオールズ戦前、愛犬デコピンの始球式で捕手役を務めた。笑顔いっぱい、家族の支えも、過酷な戦いを乗り切る原動力となった。 投手復帰を目指す来季以降は、MVPはもちろん、サイ・ヤング賞などの投手タイトル獲得にも期待が膨らむ。「そうなれたらもちろん最高ですし、まずは復帰して、さらに強くなったパフォーマンスを出して、自信を持ってマウンドに上がるのがまず目標」と宣言した。5日に左肩を手術し、体幹や下半身のトレーニングを再開。東京で開催される来季の開幕へ、二刀流での復帰が遅れるとの見方もあるが、大谷の考えは違う。 「もちろんスタートから投げる、打つのを目標にはもちろん動いてます」 可能性がある限り、全力を尽くす。何が起きるか分からない、ワクワク感を与えてくれる。それが、大谷翔平だ。【斎藤庸裕】