【大阪杯】展開の中心はタスティエーラ!「絶好ポジション」から抜け出す逆転候補
テレビ東京の競馬中継で解説を24年務め、数万レースを見てきた元JRA騎手・吉沢宗一さん。プロの視点でメンバー構成などから展開を描き、"未来予想図"をつくります! 今週は大阪杯(G1、阪神芝2000m)。展開面での攻略ポイントはこの2つです。 攻略ポイント <1>逃げ馬不在でも先行馬は多い <2>後半勝負でパワー比べになる 今週からBコース使用。先週までの馬場の荒れ具合と週中の雨がどこまで影響するか。トップジョッキーがドバイ遠征で不在。各騎手のペース判断や進路取りがどのような結果をもたらすのか興味深いですね。 今回は確固たる逃げ馬が不在。その場合、切れ味勝負だと分が悪いタイプの馬がセーフティーリードを保つために前に行くと考えたい。候補は⑦ハーパーか⑨ステラヴェローチェ。 [絶好ポジション本命候補] タスティエーラ 序盤のペースは落ち着いて後半勝負。向正面から3,4コーナーにかけて、どこまでポジションを押し上げることができるか。そのまま最後まで粘れるパワーも必要でしょう。 直線の短い阪神内回りコースであれば、前が簡単に止まらないと言うよりは、後続馬が伸びてくるのに苦労する展開が想定できます。勝ち負け争いに加わるためにも直線入口辺りで前目に付けておきたいところです。 展開のカギを握るのは③タスティエーラ。松山騎手は積極的に乗るタイプですし、ダービーでは4番手を取りに行ってそのまま押し切ったことを考慮すれば、前に行ってもバテない計算ができます。ライバル馬たちからすると丁度いい目標ではないでしょうか。 先週の追い切りでビシッと追って、今週はサラッと調整程度。久々でも体は仕上がっているので、正攻法でも後半のハードな流れに対応して、最後まで渋太く粘り通せると見ました。 直線入口 ⑨↑ ⑤③⑦↑ ⑮⑪⑧⑥↑ ②①↑ ⑭⑩ ↑ ⑬⑫④ ↑ ⑯↑ [絶好ポジション逆転候補] ベラジオオペラ 同じ舞台の重賞チャレンジC(G3)を勝てているのは強み。年間のG1を見ても一番のチャンスではないでしょうか。2000m戦を正攻法で勝ちに行くパターンを横山和騎手も掴んでいます。 この中間はパワフルな馬体と切れ味のある走りが印象的。長期休養明けを使いながらどんどん良くなってきています。③タスティエーラを見ながらガチンコ勝負です。 [その他の注目馬] ⑧プラダリア いかにも池添騎手と手が合っているなと感じます。手が合ってるというのは、その馬の弱点を出さないように騎手が上手くカバーできている証拠とも言えます。 この中間は前走よりもずっと良くなっている印象。力が付いてきて馬が本格化してきました。これなら池添騎手も思う存分に力を発揮させることができそうです。マーク屋ですから③タスティエーラを目掛けて差し切りを狙います。 ⑩ソールオリエンス 前走の中山記念(G2)は湿った馬場で滑ってしまい上手くスピードを出すことができませんでした。今回は蹄が刺さるような馬場であれば本来のパワーを発揮できるでしょう。 どうしても後ろからになるタイプなので、横山武騎手がどういうコース取りをするか。大外をブン回していたら間に合わないでしょうから、腹を括って内を突くことができれば可能性はあります。 ②ローシャムパーク 道悪実績は豊富で、洋芝の稍重で行われた函館記念(G3)でも力強く勝ち切っているのは頼もしいです。オールカマー(G2)では完調手前だったとはいえタイトルホルダーに先着していますからね。 戸崎騎手は人気馬に乗るとどうも物足りなく映ってしまいます。追われるよりも気楽な立場の方が思い切り乗れるって気持ちは良く分かりますが。 ⑦ハーパー 安定した先行力を持っていることは阪神内回りコースにおいてとても重要です。相手なりというか、どんな展開でも堅実というか、それも全て先行力があるからこそ。逃げ候補不在のメンバーですから、すんなり前で楽に運べれば最後まで余力はありそう。 岩田望騎手も初騎乗だった前走の有馬記念で能力を感じ取ったようですし、主戦の座をガッチリ掴むためにも思い切って乗ってくるのではないでしょうか。 ①ミッキーゴージャス 柔らかみのある馬体と走りで疲れは一切感じさせません。道悪実績は十分で、この柔らかさや回転力のある脚捌きがどんなコンディションでもフォームを崩さない秘訣なのでしょう。いかにも乗りやすそうなタイプ。 今回、新コンビに抜てきされたM.デムーロ騎手はどうも読めないタイプですが、いざ前々で運んだ時にはしっかり残すイメージもあります。馬場を気にせず最内枠から上手く乗れればあっと言わせるシーンがあっても。 (元JRA騎手)
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