新人記録に並んだ巨人・西舘は「自分の世界に引き込む能力が高い」 中大の先輩・高木豊氏も絶賛
◆JERA セ・リーグ 巨人3―2中日(25日・東京ドーム) 西舘は制球もバラついており、決して調子がいいとは思えなかった。それでも3人で抑えられるのは、打者に向かっていく気持ちが強く、ピッチングに迫力があるから。そこが一番の長所だ。クイックで、投球間のテンポ自体も速く、どんどん気持ちで押し込む。打者優位な間合いを許さない。自分の世界に引き込む能力が高い、という表現が当てはまる。 この長所に磨きをかけたのは、彼の“育ち”だと思う。東都大学リーグの同期生にはドラ1がズラリ。レベルの高い投手と、常に僅差の試合で戦ってきた。相手も自分の世界に引き込もうとするし、自分もそうでなければ勝てやしない。おのずと染みついてきたスタイルが、プロでも生きている。 ここまで与四球が2つしかないのに象徴されるように、ピッチングに無駄がない。追い込んでから捕手にボール球を要求されても、しっかり際どいところに投げる。もし打者が手を出してきても凡打になるよう、意図している。 ここから新記録の領域に入っていくけど、大学の先輩として言いたいのは、数字は気にせずに、今まで通り攻め込んでいってほしいということ。西舘といえばこれ、と誰もが想像できるような投球スタイルを、確立してもらいたいね。(スポーツ報知評論家・高木 豊)
報知新聞社