【オーストラリア】〔オセアニアン事件簿〕豪の詐欺被害額、1分当たり5200$
オーストラリアでは昨年、詐欺による被害総額が27億4,000万豪ドル(約2,800億円)となり、1分当たり5,200豪ドル以上が犯罪者の手に渡ったことが分かった。報告されていない被害も多く、実際にはこれを大きく上回るとみられている。公共放送ABCが伝えた。 国内では詐欺犯罪による被害額のうち銀行から払い戻しや補償が行われる割合が全体の2~5%にとどまり、海外の銀行と比べて詐欺被害への対応が「甘い」と指摘する声が上がっている。 連邦政府は全国反詐欺センター(NASC)を設置し銀行に求める行動規範を提案したが、金融機関は詐欺被害を自己責任とみなす傾向が強く、金融機関による規制も海外と比べると弱いことが分かる。 一方、人口がオーストラリアの2倍の英国では1分当たりの被害額は4,400豪ドルで、銀行が詐欺の被害額を補償する割合は49~73%に達する。今年10月以降は金融機関による補償が義務化され、送金した側と受け取った側で半額ずつ負担することが決まっている。ニュージーランドやシンガポールも英国と同じ制度の導入を検討している。 銀行による補償義務化に及び腰との指摘について連邦政府のジョーンズ財相補佐は、犯罪者に甘い蜜を吸わせることになると反論。犯罪の予防こそ効果があるとの見解を示した。