盛岡のヘラルボニーが LVMH主催のアワードでカテゴリー賞受賞 : 知的障害のある作家のアート作品をライセンス管理
ルイ・ヴィトンなどを傘下に持つフランスの高級ブランドLVMHが、世界の有望なスタートアップ企業を表彰する「LVMH イノベーションアワード」の授賞式が5月23日に、パリで行われた。盛岡市のアートエージェンシー ・ヘラルボニーが「従業員体験とダイバーシティ&インクルージョン」カテゴリー賞に輝いた。LVMHイノベーションアワードで日本企業が受賞したのは初めて。 ヘラルボニーは、「福祉×アート」で社会変革に挑む創業5年目の企業。主に知的障害のある作家が描く2000点以上のアートデータの著作権を管理し、商品や空間プロデュースなどさまざまな事業を展開し、多様性と包括性のある社会の実現を目指している。障害のある作家を福祉的支援の対象としてではなく、対等なビジネスパートナーとして尊重し、正当なロイヤリティを支払う仕組みを構築してきた。 今年8回目を迎えたLVMHイノベーション・アワードには、過去最多の89カ国・1545社の応募があった。その中から、最優秀賞、特別賞の他、6つの部門に対し1社ずつカテゴリー賞が授与された。 授賞式は、パリで開催中の欧州最大規模のイノベーションカンファレンス「VIVAT Technology」(2024年5月22-25日)の会場内で行われ、同社の海外事業担当の小林恵さんが壇上でトロフィーを受け取った。
アワードの受賞を経て、ヘラルボニーはLVMHの事業支援プログラムのサポートを受けて、海外事業を本格化させる。7月には初の海外拠点としてパリに現地法人を設立する。 ヘラルボニーは公式X(旧ツイッター)で、「『障害』のイメージを変えていく。夢が現実に変わっていく、歴史に名を刻む大きな一歩を踏み出しました!世界へ、更なる異彩を、放ちます」と投稿。同社のCo-CEOである松田崇弥さん松田文登さんは「私たちを信じて契約を結んでくださった福祉施設の皆様、異彩作家の皆様に心の底からありがとうございます」とコメントを発表した。