広末涼子、失われた歌姫の帰還 代表曲からカバー曲まで披露した25年ぶりライブの驚き
2024年版の「MajiでKoiする5秒前」、「明日へ」の披露も
広末涼子がステージを去ると、ファンからアンコールが起き、バンドは「MajiでKoiする5秒前」のイントロを演奏しはじめた。すると、広末涼子はTシャツとデニムのスカートで再登場。バンドの奏でるシャッフルビートとともに、竹内まりや作詞作曲の1997年のデビュー曲「MajiでKoiする5秒前」2024年バージョンとして歌った。間奏で両手を広げていた広末涼子は、その空間を楽しんでいたはずだ。そしてその歌声には、27年の歳月を一気に巻き戻す力があったのだ。 「明日からの毎日を楽しむために、みなさんへのエールを込めて、最後の曲を歌いたいと思います」と広末涼子が語ると、ラストの楽曲が始まった。岡本真夜が作詞作曲した1999年のシングル曲「明日へ」だ。次第に広末涼子が涙声になっていき、その広末涼子を支えるようにファンのクラップが響いた。歳月を越えて支え合う光景が、その瞬間、たしかにあったのだ。 「ブラボー!」という大歓声を受けて、広末涼子とバンドメンバーは横一列になって一礼。最後までステージに残った広末涼子は、ファンに両手で投げキッスを送った。 時は流れ、さまざまに物事は変わる。ましてや、四半世紀を経ればなおさらだ。しかし、音楽を通じることによって、変わらないこともあると伝えたのが、この夜の広末涼子だった。失われた歌姫の帰還を祝したい。
宗像明将