ヒーローインタビューを終え、ハリーホークとポーズを取る廣瀨（撮影・伊東昌一郎）

　◆日本生命セ・パ交流戦　中日1―5ソフトバンク（5日、バンテリンドーム） 　東京六大学通算20本の大砲候補が放った一打は、理想的な軽打だった。ソフトバンクの廣瀨隆太内野手（23）がプロ初打点を記録した。 ■中日移籍のあの人が古巣ナインと再会【写真】 　「追い込まれていたので逆方向を意識していたので。理想の形でヒットが出たと思います」 　3回2死二塁、2球で追い込まれた直後の3球目だった。中日先発小笠原の外角の変化球に腕を目いっぱい伸ばして対応した。打球は右前に抜け、二塁走者が生還した。 　慶大出身の廣瀨。東京六大学リーグで通算20本塁打を放つなど強打の二塁手としてプロの門をたたいた。「大学時代はホームランばっかり狙っていた」と明かすが、プロで飛躍のきっかけをつかむことは容易ではないことは理解している。「やっぱりプロの世界ではなかなかそういう訳にはいかないので。そういうのも勉強しながらやってます」。追い込まれたら逆方向への打撃も、プロで生き残るためのひとつのすべだった。 　4日の同戦でプロ初安打を放った。「今日もうまくいくかはちょっと分からないなっていう気持ちでした」と不安もあったという。それでも5日は2回にも安打を放つなど3打席連続安打となった。 　牧原大成と三森大貴がけがで離脱中。廣瀨は「すごいチャンスだと思うので、このチャンスをモノにできるように頑張りたい」と二塁の定位置確保へ並々ならぬ決意を示す。大砲候補が着実に、プロの歩みを一歩ずつ進めている。 （鬼塚淳乃介）