『SING/シング』を彩る60曲以上のヒットソング 心情に寄り添う珠玉のナンバーをおさらい
スティービー・ワンダーが解放させるゾウのミーナの情熱
ゴリラのジョニーがピアノを弾きながら熱く歌うのは、エルトン・ジョンの「アイム・スティル・スタンディング」。日本版ではスキマスイッチの大橋卓弥が歌っているが、オリジナル版でジョニー役を演じて熱唱したタロン・エジャトンは、その後、エルトンの半生を描いたミュージカル映画『ロケットマン』で、エルトンの役を演じることになったというのが感慨深い。 バスターの親友で、裕福なヒツジのエディ(ジョン・C・ライリー/宮野真守)が、バスターからの電話で起こされるシーンでは、ワム!の楽曲「ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ」が使用されている。陽気なこの曲は、エディが眠りから目覚める場面にピッタリだ。 ゾウのミーナが、バスターに励まされて極度の緊張を克服して歌うのは、スティービー・ワンダーの「くよくよするなよ!」。徐々に自分を解き放って、熱唱するミーナのパフォーマンスシーンは圧巻だ。 『SING/シング』にものすごくハマった筆者は、正直なところ、同時期に日本で劇場公開されていた『ラ・ラ・ランド』よりも感動し、歌の力を実感して、自然と何度も涙が流れた。今回の『金曜ロードショー』での放送で、珠玉の楽曲と素晴らしい歌唱に集中しながら、『SING/シング』を存分に楽しんでほしい。
瀧川かおり