7年前から消防法など満たさず使用 三重・明和町いつきのみや地域交流センター
不特定多数参加のイベントできない
三重県多気郡明和町斎宮のいつきのみや地域交流センターが、消防法と建築基準法の基準を満たしていない状態のまま、不特定多数を対象としたイベントなどに使用されていたことが分かった。現在、貸し館を停止し、休憩所の範囲内での活用を続けている。町が5日、町議会全員協議会で明かした。
基準適用には改修必要 現状での活用探る
同センターは、斎宮跡を活用する交流拠点として、2017(平成29)年4月に開館。建設面積は834.33平方メートルで鉄骨造2階建て。300人収容可能な会議室での会議や研修の他、イベントなどで利用されていた。 町によると、今年1月の消防の調査で基準を満たしていないことが発覚。これまで毎年行われていた調査では指摘されることはなかったという。結果を受け町は、施設の一部の貸し出しを停止するなどの対応を行うとともに、消防や県松阪建設事務所、設計施工管理事務所と、今後について協議を進めてきた。 それによると、同センターは消防法施工令の防火対象区分15項「その他の事業場(休憩所)」として登録されており、不特定多数が利用するイベントや展示会などに使用ができない状況にあるという。 さらに不特定多数を対象にしたイベントなどへの貸し館を再開するには、同1項の「集会場」に登録を変更する必要があるとし、さらに消防法と建築基準法の基準を満たすために、自動火災報知器や屋内消火栓の設置、耐火建築物相当の改修が必要で、概算で約4千万円の費用がかかることになるという。 一方、現状の休憩所の登録のままでも、公園散策中の立ち寄りや食事、学校遠足での見学、各種団体の総会や会議、イベントなどの準備室としての使用は可能だという。 町としては、同センターを整備した当初の目的である地域住民と来訪者との交流の拠点としての機能は休憩所の登録のままでも十分に対応可能であることから、「ただちに改修や整備は行わずに、休憩所の機能の範囲で活用を続けていきたい」と話した。