【フィギュア】中田璃士「天国でした」全7本成功、ガッツ連発で本田武史以来28季ぶり高1準V
<フィギュアスケート:全日本選手権>◇21日◇第2日◇大阪・東和薬品RACTABドーム◇男子フリー 【写真】男子フリーで演技する中田璃士 16歳の中田璃士(りお、TOKIOインカラミ)がジュニアながら飛び級で2位に入った。ショートプログラム(SP)2位で迎えたフリーで173・68点。国際連盟非公認ながら自己ベストの合計263・99点を記録し、高校1年では96年度の本田武史以来28季ぶりの2位以上に食い込んだ。年齢制限で26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪には出場できないが、新星が日本一決定戦で輝いた。 ◇ ◇ ◇ 代名詞になりつつあるガッツポーズを、さく裂させた。中田はジャンプを決めるたびに、右腕に力を入れた。「過去最高じゃないですか。こんなにやったのは」。全7本のジャンプを決めてみせ、最後はリンク中央に大の字。「天国でした」。大歓声が降り注いだ。 元選手の父誠人コーチと英国出身の母を持つ16歳には、大物感が漂う。「歴史に名を刻みたい」が口癖だが、理由の1つは「YouTubeで羽生(結弦)選手のヒストリーメーカーという動画を見て、僕もそういうものをつくってほしくなったから」というものだ。連覇が懸かった今月上旬のジュニアGPファイナルでは3位。悔しさのあまり、全日本へは「この2週間は、寝るまで死ぬくらい練習する」と独特な言葉で決意を込めていた。 この日は誠人コーチから「6位以内に入れたらすごい」と言われていたが、本人は「絶対に3位に入る」と強気。冒頭の4回転ループで勢いに乗り、トーループも決めた。人生で初めて2本の4回転ジャンプを成功。ただ「超キレイ」と自信満々だったループは、映像で見るとやや耐えながらの着氷となっており「そんなことなかった」と顔を赤らめた。 メダリスト会見でも大物ぶりを発揮した。高校1年では28季ぶり。ジュニア男子の表彰台も鍵山以来とあり「鍵山くんの仲間になれてうれしい」とニヤリ。さらに「来年は、じゃあ…金を目指して頑張ります」と優勝宣言まで飛び出した。大躍進での2位は、中田のヒストリーに確かに刻まれたはずだ。【藤塚大輔】