自分たちで昇格させる想いで、さらに昇格した自分たちがB1で戦うために(ライジングゼファー福岡 谷口光貴)
プレータイムが増えたことで「自信を持てるようになったのが大きいです」
川崎ブレイブサンダース~滋賀レイクスを経たあと、2020-21シーズンに香川へ移籍した谷口はB2で4シーズン目を数える。熊本から移籍してきた谷口も、3ポイントシュート42.7%(91/213本)はB2で現在2位の成功率であり、アシスト平均2本(73本)と合わせて自身の記録を塗り替えている(※2月18日現在)。3ポイントシュートが好調な要因について、「チームとしてボールをきちんとシェアできています。1回のオフェンスでボールを触る人数が多いところが、今の福岡の強み。ボールを触る回数が増えているからこそ、シュートタッチも安定している感じがあります」と語る一方、その数字に満足はしていない。 B1でプレーしていたときは、滋賀での平均約12分が最多だった。しかし、ひとつカテゴリーが下がるB2では20分以上のプレータイムを勝ち獲り、「自信を持てるようになったのが大きいです」と実戦を通じてステップアップできている。オフェンスだけではなく、「昨シーズンの福岡戦でアウトサイドの外国籍選手とマッチアップしていたのを、モンチョ(スアレスヘッドコーチ)がそこも評価してくれていました」と谷口は述べ、敵として対峙したからこそ指揮官はディフェンスも買っている。 「今シーズンはシュート以外の部分でもチャレンジしたい」と谷口は覚悟を決めて移籍し、スアレスヘッドコーチもプレーの幅を広げる余地を示してくれた。3ポイントシュート率が上がり、スコアできているからこそディフェンスが寄ってくる。そこを打開しながら、アシスト数も増えている。越谷戦ではビハインド・ザ・バックからのオシャレパスを決め、「どんどん新しいことにチャレンジしていきたいです」と飛躍を遂げる今シーズン。「オフェンスのバリエーションは増えていますが、その状況判断を間違えずにきちんと選択することが大事になってきます。そこの精度はもっともっと上げていけるはずであり、それができなければプレーオフも勝てないと思っています。責任を感じつつも、新しいプレーを楽しみながら前に進んでいきたいです」と貪欲に殻を破っている。 兒玉とは香川で、村上とは滋賀でともにプレーし、ポイントガード陣との息が合っているのも好調の要因である。「ある程度はプレーを知っており、強みを活かそうとしてくれているので頼りにしています。お互いにしっかりとコミュニケーションを取りながらプレーできているので、不安はないです。もっと良くしていけるとも思っており、今後の伸びしろはまだまだあります」とケミストリーを高めて行く。 新しいプレーに取り組み、数字を残しながら成長を遂げる谷口が見据えるのは、当然B1への返り咲き。自身のオファーを待つのではなく、「自分たちで昇格させる想いで、さらに昇格した自分たちがB1で戦うためにも自信を持って臨んでいます」とチームでつかみ取ることに執着する。 島根スサノオマジックでプレーする兄・大智からの刺激も大きい。「兄の活躍を見れば、負けていられないという気持ちになります。逆に、僕が刺激を与えられていれば良いとも思っています。お互いにもっと向上できる部分はいっぱいあると思っているので、負けないように、いつかまた試合ができるように、今シーズンこそなんとかB1昇格を勝ち獲りたいです」と同じ西地区にいるからこそ、ひとつ上のステージを目指す。 「B2でプレーしてからは、ずっと自分がB1へ昇格させたいという想いを持って戦っています。今年こそ、何がなんでもターゲットとするB1昇格を勝ち獲れるように全力でプレーしていくだけです」
泉誠一