岩手県盛岡市中ノ橋通にある浅沼醤油店の直営店「クラビヨリ」。 １９１４年創業の「浅沼醤油店」は１００年以上にわたって愛されている盛岡を代表する老舗のしょうゆ店だ。 ２０２４年４月「しょうゆ」の固定観念を覆すような新商品を発売した。 （聞き手：三倉茉裕子アナウンサー） （Q：１００年以上続く味、どのような思いで作っていますか） 浅沼醤油店４代目　代表取締役 浅沼宏一さん 「時代に合わせて自分たちも勉強しながら面白いものをつくっていこうと心がけて商品を作っている」 浅沼醤油店では、昔から親しまれている味噌やしょうゆのほかに、大豆や小麦アレルギーの人でも食べられるしょうゆや、県内産の果物からつくった果実の酢など幅広い商品を開発し販売している。 そして２０２４年４月１０日、「しょうゆ」の固定観念を覆すような新商品が発売となった。 原料はなんと「パン」で、洋食にもぴったり「パンからつくった朝のパン醤油」だ。 （Q：どういった味がするんでしょうか） 浅沼醤油店４代目　代表取締役 浅沼宏一さん 「パンを発酵させて造ると通常の小麦で造ったしょうゆよりも洋風の味になる」 一般的なしょうゆは大豆の他にいった小麦粉を使っているが、パン醤油は小麦粉の代わりにパンの耳を使っている。この二つのしょうゆの味の違いを確かめてみる。 最初は一般的な醤油から。 三倉茉裕子アナウンサー 「きりっと引き締まる塩味ですね」 浅沼醤油店４代目　代表取締役 浅沼宏一さん 「力強いしょうゆだと思います。味もしっかりしていて酸味のキレもある。刺身などにつけて楽しんでもらっている」 続いて「パンからつくった朝のパン醤油」。 三倉茉裕子アナウンサー 「全然違いますね」 「パンからつくった朝のパン醤油」はトロッとしたとろみ、ほのかな甘さ、香ばしさが特徴だ。 浅沼醤油店４代目　代表取締役 浅沼宏一さん 「普通のしょうゆだとパンにすぐ染み込んでしまい、しょっぱい部分としょっぱくない部分が分かれてしまうので、パンに染みこまずにジャムのように塗れるくらいのトロみというものを工夫した」 パン醤油について、さらに詳しく知るため商品開発、製造を行っている工場へ。 浅沼醤油店４代目　代表取締役 浅沼宏一さん 「きつね色に焦げたパンの耳なんですけれど、こちらを原料に発酵させている」 このパンの耳は、近くにある白石食品工業の工場の生産過程で出るもので、廃棄物や食品ロスを減らす取り組みでもある。 浅沼醤油店４代目　代表取締役 浅沼宏一さん 「毎日、たくさんのパンの耳が出ているということで、これを活用し、しょうゆにできないかなと共同で考え始めた。食料廃棄も減るし、環境にとても良い技術だということは自負してが、それを日常生活の中に取り入れて続けていってもらうには、どうすればこの商品をおいしく食べてもらえるのかというところが、とても大変だった」 パン醤油とのおいしいマッチングについて、浅沼さんにオススメの食べ方を紹介してもらった。 浅沼醤油店４代目　代表取締役 浅沼宏一さん 「色々試してみた結果、目玉焼きにすごく合うようだったので、そのまま目玉焼きトーストに合わせて楽しめるような商品にした」 パン醤油はとろみがあるので、目玉焼きの上でも味が片寄らずおいしく食べられる。 三倉茉裕子アナウンサー 「パンとパンから作られたしょうゆの香ばしさが重なって、普段食べているベーコンエッグパンとは一味違うような味です」 浅沼醤油店４代目　代表取締役 浅沼宏一さん 「和食と洋食の中間みたいな使い方をしてもらえると、食べ方はすごく広がるのかなと思っています」 他にも、パン粉を使ったフライとの相性が抜群だ。普通のしょうゆにもソースにもない新たな味わいが楽しめる。 浅沼醤油店４代目　代表取締役 浅沼宏一さん 「食の好奇心がある人に楽しんでいただける商品になるといいかなと思っている。今までに無いような味付けや、とろみとか普通のしょうゆよりもちょっと変わっているので、色んな料理にアレンジして新しい食べ方を一緒に見つけてもらえればうれしい」