阪神・前川右京「今日がダメでも明日頑張る」開幕スタメン&プロ1号を経て飛躍へ こだわりも明かす
阪神の前川右京外野手(21)が19日までにデイリースポーツの独占インタビューに応じた。高卒3年目の今季は初の開幕スタメンを勝ち取り、プロ初本塁打を放つなど、飛躍の一年にしようとしている。ここまでの成績には全く満足していないが、打席内での考え方など、昨季からの成長も実感。真のレギュラーとなるために、与えられた場所で結果を残し続けると誓った。 【写真】豪快スイングでプロ初アーチを放った前川 ◇ ◇ -交流戦を終えて、50試合の出場で打率・268、2本塁打、18打点。ここまでを振り返って。 「去年は交流戦からだった。今年は開幕スタメンから始まって、ここまで悪い時もいい時も、ある程度はできてきているかなと思います」 -いい点と悪い点を挙げるなら。 「いいところは、状況によって打撃を少しながら変えて、ちゃんと走者を次の塁に進めたりとかはできてるかなと。悪いところは成績が出ない時は受け身になって、消極的になる。自分の持ってる力を全然出せない打席が多い時があるかなと思います」 -消極的な時に心がけてること。 「そこは全部気持ちだと思ったんで、メンタルが縮こまった時に手が出なかったりしていた。ある程度は、腹をくくっていかないといけない。それがわかっててもできない時があるんで、そこら辺はまだまだ勉強かなと思います」 -去年の経験は生きているのか。 「だいぶ大きいと思いますね。ちょっと今日がダメでも、メンタルには来るんですけど、明日頑張ろうという気持ちでいけている。去年はアップアップみたいな感じやったんで、そういう点では去年の経験は大きいかなと思います」 -きっかけはあったのか。 「1試合1試合、気持ちが上下していたら年間を通してしんどいというのは感じた。なるべく、一定した気持ちでできるように。なかなかできないと思うんですけど、なるべく抑えて抑えてというのは心がけてます」 -先輩の姿も見習っている。 「本当にいいチームのいい先輩方がたくさんいるので、そういうところを参考にしながら、今後もやっていけたらなと思います」 -助言は求めているのか。 「気軽に聞ける環境をつくってもらっているので本当にささいなことでも聞きにいって、丁寧に教えてもらえる。本当にいい環境でできてるかなと思います」 -先輩からの印象的な言葉はあるか。 「糸原さんには、よく食事へ連れて行ってもらったりするんです。『普通やったら大学3年生の年。プロの人からいろんなアドバイスをもらったりするのも全然できない経験やし、1軍で経験できていることもいいことだから、てんぐにならずに頑張れ』って感じで言われました。1軍でやれてることに感謝をしながらと。それは印象的ですね」 -レギュラー奪取への思い。 「今は本当にいい経験をさせてもらっている。ちゃんと出たところで仕事をできるようにというのが一番かなと思います」 -プロ入り後の成長曲線は思い描いていた通りか。 「1年目はけがばかりやったんで、どうなるかなって感じやった。今はある程度、できてきている感じもある。あとは、どれだけ継続してできるかやと思う。全然、まだまだかなという感じです」 -改めてプロ初本塁打までの道のりは長かったか。 「ホームランバッターじゃないって言い聞かせながらやってたんで、そこまで焦ることはなかったんですけど、実際に出てみたらうれしかった。それまで196打席かな?長かったなというのが本音です」 -ホームランバッターじゃない中でこだわりたいもの。 「出塁率と打率ですかね。出塁率はある程度、残せていると思う。打率はまだ上下することがたくさんあるので、まだまだ勉強かなと思います」 -昨季は107打席で25三振。今季は141打席で19三振。三振数が減っている要因は。 「打席内で慌てなくなってきた。どっしりというか、考えながら捨てる球を捨てたり、いく球をいったりというのができているから、三振は少し減ってるのかなと思います」 -守備への意識も高くなっている。 「やっぱり力がないところなので。そこはちゃんと練習をして、投手の方に迷惑をかけないようにしたいなという気持ちがあります。守備に対しても目を向けるようになってきたかなと思います」 -将来の理想像は。 「自分の中ではあるんですけど、まだ口にできるほどの選手でもない。そこら辺は自分で理想を求めていきたいなと思います」 ◆前川 右京(まえがわ・うきょう)2003年5月18日生まれ、21歳。三重県出身。176センチ、83キロ。左投げ左打ち。外野手。智弁学園から21年度ドラフト4位で阪神入団。23年5月30日・西武戦(ベルーナ)で6番・指名打者で1軍初出場。24年5月31日・ロッテ戦(ゾゾ)でプロ初本塁打。