「短期波乱」か「年末高」か、師走相場のヤマ場がやってきた
クリスマスムードが高まる東京都内。日銀の植田サンタからのプレゼントは株式市場をどう動かすか(写真:ブルームバーグ)
またも木曜日だった――。「追加利上げではなく、われわれは利下げをいつ行うかを討議している」と、FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長が12月13日のFOMC(連邦公開市場委員会)後の記者会見で明言。これを受けて為替市場でドル売り・円買いの波が起こり、日本時間の14日12時過ぎにドル円相場は1ドル=140円95銭まで急騰。1週間前の8日2時過ぎに記録した141円59銭より円高が進んでしまった。 わずか64銭の差にすぎず、瞬間的な価格形成でしかないのだが、高値更新は高値更新。決して侮ってはいけないのが相場の常識だ。 このパウエル発言は、長く続いた異常なアメリカの利上げ政策が明確に終焉の時期を迎えたことを意味する。さらに、同じ13日に日本銀行が12月調査の企業短期経済観測調査(日銀短観)を発表。それが意外に堅調な企業マインドを示していたことで、「一段とチャレンジングになる」との植田和男・日銀総裁の7日の発言が市場関係者の頭をよぎったのだろう。結果として、それが短期的な円の急騰につながった。
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岩本 秀雄