絵の中に入った? 新感覚の展覧会「モネ&フレンズ・アライブ」 神戸・KIITOホールで開催
クロード・モネらフランス印象派をテーマとした新感覚の展覧会「モネ&フレンズ・アライブ」が神戸市中央区のデザイン・クリエイティブセンター神戸1階KIITOホールで開かれている。大型スクリーンや床に投影された名画の画像を見ながら、力強いクラシック曲や心地良い香りに包まれ、まるで作品世界に入り込んだかのような、ドラマチックなアート体験ができるイベントだ。3月30日(日)まで。 【写真】足元にはさざ波、泳ぐ魚も…!モネ「睡蓮の池」の世界を堪能できるフォトスポット モネらが参加した「第1回印象派展」がパリで開かれてから約150年。当時、異端とされた印象派はその後各地に広がり、美術界全体に多大な影響を及ぼした。印象派作品は今では日本をはじめ、世界中で大人気だ。 「モネ&フレンズ・アライブ」は、印象派推しやアートファンばかりでなく、美術初心者にも親しみやすい構成となっている。まず会場に入ると、印象派の画家たちと代表的な作品の紹介、美術史年表などがパネルで並ぶ。パネルに続くのは、フランス・ジヴェルニーの「モネの庭園」をイメージしたフォトスポット。春の日差しのように明るい光の下、色とりどりの花が咲き乱れる「庭園」が広がり、モネに招かれて遊びに来た気分で記念撮影できる。また、スマホなどを使ってモネのキャラクター「モネさん」を呼び出すAR体験も楽しめる。 メイン会場に一歩足を踏み入れると、そこは別世界。天井の高い広々とした空間の中に巨大スクリーンが多数配置され、印象派の絵画が、響き渡るクラシック音楽に合わせるかのようにテンポ良く映し出される。作品が拡大されて映っているために、印象派の特徴の1つとされる大胆な筆遣いまではっきりと見て取れる。チャイコフスキーやエルガーなどの優雅なサウンドに包まれながら、作品中の明るい光や移り変わる水面、やわらかなタッチの人物を眺めていると、画家が筆に込めた思いが伝わってくるよう。時折、ほのかに香りも漂ってくる。 もう一つのフォトスポットも特筆に値する。モネの「睡蓮の池」そのもののようなコーナーで、“額縁”の中に入って撮影すると、ロマンチックな1枚に。足元の「さざ波」や「泳ぎ回る魚」も動画で撮影可能だ。 このほど開かれたメディア向け内覧会で、展覧会を手掛けた「グランデ・エクスペリエンセズ」社(オーストラリア・メルボルン)のロブ・カーク氏は、神戸の印象について、「山や海、森があり、自然豊か。印象派の中で描かれた風景がここにあると思った」とスピーチ。「従来の絵画展とは違う本展で、絵の中に入ったり、絵の細かいところまでたどり着いてもらえたら」と話した。 神戸市の小原一徳副市長は「会場のKIITOは、生糸の検査所として建てられた由緒ある施設。ここで開催してもらえることはたいへんうれしい。展覧会には多くの人、とくに若い人にぜひ足を運んでもらいたい」と呼び掛けた。
ラジオ関西