元号「令和」決定から5年 万葉集出典「広く親しみ」
元号「令和」は1日、2019年4月1日の決定から5年を迎えた。出典は現存する日本最古の歌集「万葉集」。国書(日本古典)由来の元号採用は確認できる限り初めて。林芳正官房長官は記者会見で「一人一人の日本人が、それぞれの花を大きく咲かせることができるようにという願いが込められている。多くの国民に好意的に受け止められ、広く親しまれている」と述べた。 政府は19年4月1日の有識者懇談会などでの意見聴取を経て、令和を閣議決定。当時の菅義偉官房長官が墨書を掲げて正式発表した。元号の事前公表は憲政史上初めてで、周知期間を設けて国民生活への影響に配慮した。1カ月後の5月1日、皇位継承に伴い「平成」から令和に改元された。 元号の出典は漢籍(中国古典)が通例とされてきたが、令和は万葉集にある梅の歌の序文から引用した。選定過程で当時の安倍晋三首相が国書からの採用にこだわった。政府は決定直前の19年3月、中西進元大阪女子大学長(日本古典)に万葉集限定で追加候補案の作成を依頼。中西氏が令和を提示した。