【ラグビー】流経大に激震。現場の声は。
流経大ラグビー部に激震が走ったのは8月下旬のことだ。 折しも主力組が校内合宿を16日までに終え、19日からの菅平キャンプまでのつかの間のリカバリー期間に突入していた。 6月に東京・秩父宮ラグビー場であった「関東ラグビーフットボール協会 100周年記念試合」の東軍学生代表にも選ばれた2年生WTB、アポロサ・デレナラギが、外出中のトラブルに遭った。 池英基監督が報せに触れたのは18日夜。すぐにでも警察署にいる本人と面会したかったが、それは叶わなかった。 本来なら菅平入りするはずだった19日午前、大学とミーティングをした。先んじて現地入りしていたチームには、やや遅れて合流した。以後、学校のある茨城県竜ケ崎市と菅平を行き来した。 「事実確認をしないと何とも言えない」 自身はまずは、残ったメンバーを束ねることに注力したい。菅平での対外試合を3戦全敗で終えた26日、このように話した。 「いま自分たちができることは、この菅平でのラグビー。色んなことを考えずに、いまやれることに全力を傾けようと。この話をしてから、ちょっと気持ちが固まったのかなと。最初のうちはふわっとしている感じもありましたが、この何日間かで、徐々に、徐々に、まとまっています」 「学生にとって、いまは『どうなってるの?』というところが一番、不安の原因になっていると思う。『今、大学と話をしている。君たちは心配せず、いまやれることをやろう。あること、ないこと、言われているけど、事実だけ聞いてやっていきましょう』と。少しチームが固まってきた状況かなとは思います」 デレナラギはいま、竜ケ崎に戻っているという。 池は30日、ようやく本人と顔を合わせることができた。「普段は本当に人見知り」だという「アポ君」と1対1で対面した。向こうはずっと下を向いていたという。 「こちらが思った以上に彼は反省していて、こちらも心が痛かったです」 大学側は、今回の件を個人の問題と捉えているようだ。クラブの活動停止などの措置はない。もっともデレナラギ本人への処分は未定である。この件について、韓国出身で昨季ヘッドコーチから昇格した池は大学側の指示に従うという。 主力は関東大学ラグビーリーグ戦1部の初戦を9月8日に迎える。昨季はこのリーグ戦で8チーム中2位だった。 (文:向 風見也)