「自然と涙が流れた」沖縄市知花で写真展 戦前戦後の700点 懐かしさ感じるものや貴重な資料も
【沖縄】沖縄市知花の歴史や伝統文化を再発見してもらおうと「知花歴史写真展」(主催・知花自治会、知花ときわ会)が10月26~31日、知花公民館で開催された。地域住民に呼びかけて集めた戦前戦後の写真など約700点が展示された。同自治会の宇良敢会長は「あんやたんやぁ(そうだったなぁ)と懐かしさがよみがえってくるものや、地元にいても初めて知るような貴重な資料が集まった。今回をきっかけに写真集の発刊につなげたい」と意気込んだ。写真展は市立図書館前ロビーで8日まで、コザ信用金庫赤道支店でも11~15日に開催される。(赤嶺龍風通信員) 【写真】国指定の伝統工芸品「知花花織」のワインバッグ 来場者からは「カールテックス(ガソリンスタンド)や農村風景はなくなってしまったが、写真を見て記憶が鮮明によみがえった」「当時の家族や近所の人たちを思い浮かべ、自然と涙が流れた。展示会に感謝したい」との声が聞かれた。 1416年、今帰仁グスクが滅ぼされた戦いから逃れた人々が知花グスク東側の高台に移り住んだのが知花の起源と伝えられる。高い場所だったため、木の花、人の鼻などの高い場所を意味する「知花」と呼ばれるようになったとされている。 地域住民に呼びかけて集めた写真の他、市や県公文書館などから提供を受けた写真に説明文を付けて展示した。2階会場では「松本闘牛写真展」も同時に開いた。 知花ときわ会の池原秀幸副会長は「知花には数多くの歴史や伝統文化があるが、時代の経過とともに継承・保全が危惧されている。今回の展示会のために作成した『知花ガイドマップ』が継承と保存活動の一助になればうれしい」と語った。 ガイドマップは、同自治会が子どもたちの地域学習に役立ててほしいと地域の文化財や観光スポットなどをまとめて作成し、来場者に提供した。 同自治会は、知花地域に関する写真や歴史の情報の提供も引き続き求めている。問い合わせは同会、電話098(937)4516。