【Playback箱根駅伝】第6回/明大が大差で連覇達成 復路で2位以下を大きく引き離す
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第6回箱根駅伝総合成績をチェック
第6回(1925年/大正14年) 1区は東大農学実科・藤巻が初の区間賞 7区で明大が中大を逆転
第5回に出場した9校に、中大も加えた10校が参加した。 1区では東大農学実科の藤巻伝之亟が区間賞の快走。チームに初の区間賞をもたらしたほか、初めてトップ中継も果たす。一方、前回優勝校の明大は7位、早大は10位とそれぞれ出遅れた。 その隙を突いてレースの主導権を握ったのが2年ぶり出場の中大。1区4位から2区の中川英男が区間2位と好走して先頭に立つと、4区の伊藤政視が区間賞を獲得するなど安定したレース運びを見せて初の往路優勝を果たした。 明大は前回に10区で逆転優勝の立役者となった八島健三が5区区間賞の力走で4位から2位まで順位を押し上げたが、中大とは5分34秒の差をつけられる。3位に東京高師、4位に早大と続いた。 復路がスタートした午前8時は零下13度の極寒。選手たちは防寒対策として長袖シャツを着こんだり、腹部に真綿を巻いたり、ワセリンを身体に塗り付けるなどの工夫を施してレースに臨んだ。 6区では明大の江俣広が区間2位と好走して中大との差を4分10秒に詰める。戦前は5区と6区のみ、同僚選手の伴走が認められており、前日の山上りで快走したばかりの八島が江俣の伴走を務めた。 7区では中大の関谷忠男は区間8位と苦戦。一方の明大は天野重朗が区間賞の快走を見せ国府津で中大を逆転。中大は東京高師にも抜かれて、順位を3位に落としてしまう。 明大は8区、9区でも首位をキープすると、10区の永谷寿一が区間賞の走りでリードを広げて2連覇を達成。終わってみれば、2位に27分9秒4の大差をつける圧勝だった。 2位は10区で順位を2つ上げた早大、往路優勝の中大は3位に終わった。 なお、7位の日大は3区に出場した選手が登録された学生ではなく、人力車の車夫が走っていたことが後に判明。この大会での成績は認められたものの、翌年の大会には出場を見送ることとなった。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
月陸編集部